刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
「俺があの女と行動を共にしていたのは…あんたを欺くためだ」
欺くため…その言葉に胸がきゅっと縮む。
意味が分からず、私はただ今まであった出来事を頭の中で振り返る。
「あの女は、包丁の怨霊に取り憑かれていた」
「包丁…?それって、私が手を切った、あの…」
「…ああ」
「怨霊はあんたに乗り移ろうとした。だが霊力が強すぎて無理だった。だから、あの女を器にして力を蓄えていた」
――全部、繋がった。
あの時感じた、シーちゃんの異様な気配とおぞましさ。やっぱりあれは以前のシーちゃんではなかったんだ…
「怨霊は、あんたの負の感情で力を増す。だから…俺が“裏切った”ように振る舞い、姿を現したところを斬る。それが目的だった」
淡々とした口調。けれど、その奥に押し殺した感情が滲んでいる。
「だが…負の感情なら、あの女のものでも足りると考えた。だから俺は、あの女が外にいるのを確認した上で…あんたを抱いた」
「あ、あの時…?」
資材庫での記憶がよみがえり、顔に一気に熱が集まる。
「…聞かれてた、ってこと?」
「すまない…あのまま、あんたを裏切り続けるのは……俺の方が限界だった」
思考が追いつかなくて、暫しの沈黙が部屋の空気を包む。