第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
「私を、誰だと思ってんのよ……」
「っ!」
「「っ!?」」
ゆりは少し来海を睨みつけるように小さく呟いた。
その様子に来海はもちろん他のメンバーや涼介たちすらも驚かせた。
このような姿は一度も見せた事なかったゆり、
反抗期もないほどとされていたゆりが初めて敵意を見せたのだ……。
「私は散々、アイドルとして王道の道を歩んできたしそうやって育てられてきた、
それが憲吾によって壊されただけ……。
私には、役目があるの。
_私を好きでいてくれてる人たちに"愛を伝える" "愛をあげる"のが私の役目。
そんなふうに創り上げたのはこの事務所でありこのグループでしょ?
私を絶対エースの不動のセンターとして今までの地位を創りあげたのなら
私はそれに応えるだけ……
その為にもっと色んな技術をあげるつもりだよ。
ボイトレだって、ダンスだって、演技だって全部……全部こなすよ。
こなしてみせる。こなせるよ。
私は……
_全部こなしてこその、
"アイドル・藤ヶ谷ゆり" なんだから……」
「っゆり、アンタ……」
(何だろ……今までにないくらい負の感情が溢れてて、
まるで黒いオーラ、闇を纏って見えるような……)
ゆりが闇のようなオーラを纏ってるように見えた来海、
まさかゆりがそれほどまでに追い込まれていたのかと
リーダーとして不覚だったと後悔した。
もっと別の言い方があったのではないかとすぐ本能的に感じた……。
_ギュッ…「っなんかゆりちゃん、怖いよ……」
「っ来夢……」
来夢は思わず凪咲にしがみ付き涙目になってゆりを見上げていた。
凪咲は来夢の頭を撫でながらゆりを見た。
_これがあのゆりなのか、
凪咲もひと目見ただけでゆりの様子が遥かにおかしいと察した……。
「来海がこの間言った通り、完璧にこなせるまでは合同レッスンには行かないよ。
……リハーサルで合わせられればいいんでしょ?
それまでに、
"完璧な藤ヶ谷ゆり" を完成させてみせるから……。」