第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
「でも神様なんて、そんな世迷言じゃない。
……オレが病院に運ばれた日の真夜中、
当直の看護師や医者しか起きていない時間帯……兄貴と
組織で随一の科学者・伊集院さんが病院にやって来た。
……わざわざ催眠薬も使ってね、」
「っ……そこから、どうやって蘇生を……」
「この時はあくまでオレの体のデータを集める為、
完全なるクローン人間を作る為にはDNAをはじめいろんな情報が必要だからね……
それを元に、オレに最も近いクローンの子供体を
組織の中で1週間程度の期間を使って作り上げた……。」
「っ……死ぬと宣告されたのに、
お前はそれまで死んだことにはならなかったのか?」
「うちの両親は少しでもオレに生きててもらいたいって思ってくれてたんだ。
このまま助からないって分かっててもね……そうしている間に組織は
オレのクローン体を作った。成長もする、巧妙なクローンをね……
北京でDolceの巧妙なアンドロイドが作られたのはこう言う経緯があるからだよ。
だから簡単に、クローンと呼ばれるレベルのアンドロイドを作れるんだ……」
「「……。」」
手続きが終わった樹と北斗も黙って宙の話を聞いていた。
そして宙の話は最後のほうへなってきた。
「そして完成したオレのクローン体を連れ兄貴たちはまた病院にやってきた。
そこでオレの生身の体とクローンを入れ替えて
オレの生身は組織に回収されて一応埋葬してくれたみたい。
……まあ、医者の驚き様は凄かったみたいだね。
たった1日で回復してたことになるんだからさ、」
「っ……だろうな……俺だって、まだ信じられねぇよ……
お前がクローンだなんて……」
「オレもそれ知ったのは兄貴と初めて会った時だからさ……
オレだって信じられなかったよ、オレの体はとっくに死んでるなんて……」
「けどなんで、アイツはそんなリスクを犯してまで……」
「……オレもそれは正直わかんない、兄貴もわざわざ心の内は話さないし……でも、
兄ちゃんや母さんを悲しませない為だったのかもね……兄貴も、
当時は今のオレらと同じ18だったし……」
「っ……」
(東郷響は、一体どんな気持ちで宙を救ったんだ……アイツにも、
誰かを思う気持ちは持ってるってことなのか……?
けど、アイツがゆりにしたことは許されたことじゃない……なぜアイツは……)
