第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
「っ……なんて父親なんだ……」
(自分の後継の為だけに何の罪もない子供を……
もし、母親が一緒に引き取っていたら
今みたいな事件も悲劇も起こっていなかったはずなのに……っなんで……
同じ父親なのに、こんなにも違うのかよ……)
響と最の実の父親はゆりの実の父である太輔とは全く違う人物。
同じ父親という立場なのになぜこうも違うのか、
両親の顔や存在も知らない憲吾にとって理解し難いものだった……。
「ホント、兄貴に同情したくなるくらい酷い父親だよね。
普通の人から見たら……」
「っ……」
「けど親父もずっと裏社会で生きてきた人間、
オレらの言う普通の人間とは全く違う感覚だろうからね……
ま、これが兄貴が裏社会にいる理由だよ。」
「っ……アイツは、なぜ赤ん坊の時に引き離されたのにお前たちのことを知ってんだ?」
「さぁ、オレもそこまでは知らない……親父があえて、
母さんと兄ちゃんのこと教えてたのかもしれない……でなきゃ、
オレの命を救うはずねぇもん……」
「ぇ……?」
「ここからが本題、オレがクローン人間として生きてる理由を話すよ。」
「っ……」_コクッ
憲吾は頷き再び宙の話に耳を傾けた。
「普通の家で生まれたオレは普通にそこら辺の子供として生きてた。
まぁ強いて違うとこ言うならイケメンだったってことかな?
昔から女の子にはモテてたし。」
「……。」
(まさかここから話ズレねぇよな……)
「小学校にも普通に行って、オレが2年生の時……あれは夏の日だったね。
オレは学校の友達たちと友達の親1人と一緒に
山の川に泳ぎに行ったんだ。」
「……そこで遊んでるうちに、お前は溺れたと?」
「うん……友達の親が何とかオレを陸地まで助けてくれたけど
この時点でオレは息を殆どしてなくてね、救急車を呼んだ頃には手遅れだって言われたレベル……」
「っ……」
「母さんと父さん、兄ちゃんはすぐ病院に駆けつけてくれた。
でもオレは助からないって医者から宣告された……
酸素マスクを外せばすぐに死ぬって……」
「っ……」
「けどオレはこうして生きてる……普通に健康体な体でね……
家族みんな、喜んだよ。
_まるで奇跡だ。
神様がオレ生かしてくれたってね……」
「……。」