第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
憲吾は北斗と別れ一旦自分の部屋に荷物を置きにいった。
メモは机の上に置き飛ばされないようノートに挟んだ。
「……練習終わったら、電話かけてみるか……」
(文面より直接声のやりとりをしたほうが話が早いしな……)
そして制服からスウェットに着替えいつもの公園にジョギングをしながら向かった。
この時間帯は犬の散歩をする人もチラホラといる。
憲吾にも身に覚えのある犬とその飼い主が歩いているが
一度も見たことのない若い男を見かけた。
「っ……?」
(この辺りじゃ見ない顔だな……でも、どこかで見たことあるような……)
その人物は華奢な印象を与え憲吾は少しの違和感を覚えた。
そんな男はチワワを連れており
憲吾は気になりながらも気づかないふりで自主練を再開した。
「空、ちょっとベンチで休むか。」
「ワンっ!」
「っ!?」
(そら……アイツと同じ名前……)
男はすぐ近くのベンチに座り空という名のチワワを抱き上げた。
思わず憲吾は宙と同じ名前であることに反応してしまった。
男はそれに特に気づいてる様子はなかった。
「ここ初めて来たけどなかなか良いとこだなぁ……」
「ワンワンっ!」
「よしよし笑」
「っ……」
(アイツと同じ名前だからって、何過敏に反応してんだよ俺……
練習に集中しねぇと……)
憲吾は自主練に集中するため精神を研ぎ澄ませた。
しばらく集中していると先程の男がなぜか憲吾に声を掛けてきた……。
「おにーさんっ♪」
「っ!?」
突然声を掛けられ憲吾は動作を止めた。
声がするほうへ顔を向ければなぜか先ほどの男がいた。
憲吾は怪訝そうに男を見た。
「っ……何っすか急に……」
「いやー凄い熱心というか集中力高いなーって思ってさ!
体力づくり?」
「っまぁ……ボクシング、やってるんで……その自主練です……」
「ボクシングっ!?すげぇ……」
男は目を輝かせながらパチクリさせた。
「っ……俺に、何か用ですか?」
「うーん……なんとなく声掛けてみたくなってさ!
あ、オレはジュリって言うんだ!シクヨロ♪
んでこっちは俺の愛犬・空!」
「ワンっ!」
「君の名前は?」
「っ……三船、です……」
「三船くんねっ!よろしくっ!」
「っ……」
ジュリと名乗る男は右手を憲吾に差し出し握手を求めた。