第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
ゆりside
ゆりは涼介の車に乗り込みキラやユウの待つ寮へ向かった。
その間に2人の会話はあまりなかったが
寮まであと半分ほどの道のりに入った時涼介が口を開いた。
「ゆりちゃん……」
「はい……何ですか?
涼介さん……」
「……三船くんは、本当に優しい子だよ。
誰よりもゆりちゃんのことを考えてくれている……」
「……そうですね、三船さんは……とても優しい人です。
こんな私にも、あんな言葉をかけてくれるなんて……
お人好しもいいところですよ……」
ゆりは窓のほうに顔を向けながら言葉を口にした。
「……ゆりちゃん、あまり無理はしないでね。
三船くんのことも、わざわざさん付けしなくていいし……現に、
さっきまで憲吾って呼んでた……ゆりちゃんは、
完全に三船くんのことが嫌いになったわけじゃないんでしょ?」
「っ……涼介さんも、とんだお人好しですよね……」
「っゆりちゃん……」
「私のママも相当なお人好しって聞きましたし……っほんと……
私の周りってそんな人ばっかですよ……」
そう……私は憲吾のことが好き。
まだ貴方のことが好き……。
私は散々酷い事したり言ったりしたのに
それも全て優しく包み込んでくれて……
どこまでも私を想ってくれる貴方のことが好き、
大好きだよ憲吾……。
でも……
今それを口にする事はできない……
ここで貴方の優しさに甘えるわけにはいかないの……。
私たちの未来の為にも今は……憲吾、
『信じる』って言ってくれてありがとう……その言葉だけで、
私は救われたよ……
これは、私たちの試練なのかもしれない……
私のパパとママもいろんな試練にあった……きっとこれが、
私たちに与えられた試練……でもね?
「俺はゆりちゃんを、信じるよ……でも、
三船くんのことは本当にあれきりにするつもりじゃないでしょ?
いつか、三船くんのところに戻るんでしょ……?」
「私は、あの人のところに戻りませんよ。」
私に、憲吾の傍にいる資格がないから……。