第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
「社長!」
「……。」
瑛二に詰め寄る涼介だが瑛二はそれに構わずゆりに問いかけた。
「……ゆり、お前が本当にそれを望んでいるんだな?」
「はい。
母が出ていた番組に宙さんと出れるなんて本当に嬉しいことですよ。
許可、してくれるんですか?」
「……あぁ、片桐社長がいいと言ってくれるならな……」
「よかった……」
瑛二の言葉に安堵の笑みを浮かべるゆり。
宙はゆりの頭を撫でた。
「よかったじゃんゆりちゃん!
社長に認めてもらえて!」
「そうですね……」
「っ……」
小さく宙に微笑むゆり、その様子に憲吾は
胸の奥がチクリと痛むのを感じたがそれを表に出すことはしなかった。
「っ……はぁ、社長までそこまで言うなら俺は従うしかないね……
わかった、2人を信じるよ……けど宙くん……」
「何っすか?」
宙は首を傾げながら涼介を見た。
「……ゆりちゃんを悲しませたり、
苦しめたりしたら容赦はしないつもりだから……
社長が、何を言ってもね……」
「「っ……」」
鋭い視線を宙に向ける涼介、その姿は瑛二と憲吾も固唾を飲み込んだが
宙は特に気に留めなかった。
「……さっすが、
ゆりちゃん専属マネージャーってだけありますね山田さん。
まあそこんとこは安心してもらって大丈夫っすよ?
今ゆりちゃん支えられるのって、三船くんよりオレのほうだと思うんで。」
「っ……」
宙の言葉に唇を噛み締める憲吾、だが宙に何も言い返すことはできなかった……。
「……三船くん、そういう事だからゆりちゃんとの関係はもう終わり。
もともと住む世界も違うわけだし、今日を機にボクシングだけに専念しなよ。
そうでもしないと、オレに勝つどころか世界目指すなんて無理だよ……」
「っ!」
(コイツ……)
「……。」
「っ……?」
宙はゆりから離れるとなぜか両手をズボンのポケットに入れ
憲吾のほうへ歩み寄ってきた。
そんな宙をゆりは不思議そうに見つめた。
「っ……」
憲吾も宙に警戒心を見せ思わず構えた。
そして憲吾の目の前に立つ宙は……
「……手出して、」
「っ……?」