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パンひとつ分の愛を【ONE PIECE】

第7章 トラ男とパン女の攻防戦




バイトで鍛えた筋力も体勢が悪ければちっとも発揮できず、ムギは潰されるようにしてローに押し倒された。

上質なソファーはムギの頭部をしっかり守ってくれて、倒れた衝撃はあまり感じなかったけれど、目前に迫ったローの目つきが危険すぎる予感しかしない。

「ね、休憩終わり。もう終わりにして勉強しましょう。」

「そう焦るなよ。せっかく淹れたんだ、コーヒーを飲みきるまで休めばいい。」

とは言っても、この体勢だとミニテーブルの上に置かれたコーヒーには手が届きそうになくて、非難を込めた眼差しでローを睨んだ。

「冗談抜きで、わたし焦っているんですよ。留年なんて、さすがにマズイです。」

「だろうな。」

口ではわかったように言っていても、変わらず上からどいてはくれないし、見据える瞳の中に怪しい光が宿っている。

「出来の悪い生徒には、多少の荒療治も必要だろ?」

意味不明な発言を残し、ローの唇がムギのそれに重なる。
唇の割れ目を舌先で舐められて、ムギの背筋が仰け反った。

「……口を開けろ。」

短く命じられたそれに従ってしまったのは、ムギの脳裏に昨夜の余韻が残っていたから。
強い意志を持ってしっかりと閉じたままでいればよかったのに、うっかり口を開けてしまう。

機嫌よく鼻を鳴らしたローの舌を迎え入れ、ぬるぬると口内をまさぐられる。
ざらついた舌が頬の内側、上顎、舌の上を這いずるたび、身体が震えて忘れていたはずの官能を呼び起こす。

まずい、と思った時にはもう遅く、数時間前に穿き替えたばかりの下着がじんわりと湿っていくのを感じた。

「ん、ふ……、ロー……ッ」

昨夜とは違って、窓からは太陽の光がさんさんと降り注いでいる。
昼間に、それも勉強に追われているはずの時間に健全とは言えない行為に耽っている自分がやましく、そして恥ずかしい。

色気も洒落っ気もないトップスの上をローの手が這いずって、脇腹を撫でた。

「ひぅ……!」

ぞくんと鳥肌が立ち、下肢から期待に満ちた蜜が滲んだ。
こんなふしだらな自分が恥ずかしくて、ローに気づかれたくなくて、緊張で全身が強張った。



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