第7章 トラ男とパン女の攻防戦
そもそもローは、処女と付き合った経験がない。
初心な相手は面倒で、例え遊びであってもそういう女は選ばない。
中にはローと付き合いたいあまりに経験豊富な女を演じた者もいたが、簡単に隠しきれるものではなく、傍に寄らせたりはしない。
女に対して優しさが欠如していると自覚していたローは、決して処女を相手にしない。
痛がる女を無理やりに抱く趣味はないし、かといって手間を惜しんで解してやる意義も見つけられなかったから。
けれど、蓋を開けてみれば、ローが初めて本気になった女は、セックスどころか男と付き合ったこともないような恋愛ド素人だった。
本気で好きな相手には、少しだって辛い思いをさせたくはない。
女は初めての行為に痛みを伴う生き物だから、念入りに、慎重に接してやらねば、愛しい女が苦しむことになる。
本音を言えば、すぐにでも襲い掛かりたい欲望を抑えつけ、いつか訪れるであろう日を夢見て愛撫した。
いくら優しく愛撫をしても、未経験の女は男と違って快楽を拾えないものらしい。
が、しかし、ムギは違った。
下着の上からでもわかるほど彼女の秘処は濡れていて、一瞬経験の有無を疑ったほど。
もし経験があるのなら、自分のことは棚に上げて過去の男に殺意が湧く。
けれどもそんな嫉妬や疑念はまったくの杞憂で、初めての感覚に半泣きの状態で戸惑うムギは、やはり処女だった。
艶めかしい声で啼き、身体を震わせ、淫らに蜜を流すムギを見下ろし、冗談抜きでどうにかなりそうだった。
どうして迂闊にも手を出してしまったのだろう。
どうして迂闊にもあんな約束をしてしまったのだろう。
己を律すれば律するほど勃ち上がった雄が熱を持ち、がちがちに硬くなっていく。
指を入れたら濡れた壁が物欲しそうに吸いついて、痛いほどに滾った熱杭を突き入れる妄想すら浮かべた。
ムギを暴き、攻め続けているのはローだ。
けれど同時に、難攻不落な要塞に攻め落とされている気にすらなる。
ムギが処女でさえなければ、今すぐ己を突き入れて、彼女を自分だけのものにできたのに。
その一点だけがローの暴走を食い止めて、生殺しの拷問へと誘った。