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リンゴ

第3章 黄色との再会







「さやっち…

-------- 俺、俺…」



笠松の足音が聞こえなくなると

終始視線を避けていた黄瀬は俯き
言葉を漏らすようにぽつりぽつりと話し始めた。



「初めて…負けたっす」

「うん。」

「しかもさやっちの前で」

「うん。」

「ってゆーかさやっち全然声出してくれないしっ」

「うん。」

「…俺、かっこ悪いっすね
嫌いになったっすか…?」



さやは俯く黄瀬の頭をそっと抱きしめた。

そしていつもの様に
黄瀬の髪に指を通しながら撫でた。



「涼太、凄くかっこよかったよ
一生懸命でいい先輩達とキラキラバスケしてた
さすが私の、彼氏だね。」


「っ……!」


「涼太はもっともっと強くなる
大丈夫。私が傍にいる。

さあ、行こう?
今日は涼太の家でいっぱい一緒に過ごすんでしょう?」



黄瀬は頭を撫でるさやの手をぎゅっと掴み
自分の腕の中に引き寄せた。


汗の匂いがする。
こんなに汗をかいてる黄瀬は久しぶりだ。

とんとんと子供をあやすように
背中をさすってやる。



「さやっち…俺、子供じゃないっす」


「あら、子供みたいに
ぽろぽろ泣いてるのは誰なの?」


「それは、言わないで欲しいっす…!」



黄瀬はゴシゴシと腕で拭って
バッと顔をあげた。



「いつまでもこんなんじゃ
本当にさやっちに呆れられちゃうっすね!」


「ふふっ元気な涼太好きよ」


「じゃあ行くっすかー!」



さやの手を握って歩き出す涼太。

その顔はスッキリとしていて
いつもより輝いていた。









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