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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


《アスランside》

「その日部屋に新しく入ったのは俺と、同い年の子の2人で、色々話してるうちに仲良くなったんだ!俺、昔から嫌われてて友達なんていたことなかったからすごく嬉しくて…その日渡されたキャンディ、その子にあげちゃったんだよね。次の日も、そのまた次の日も…そしたらどんどんその子もおかしくなっていって、気付いたんだ。このキャンディがおかしくなる原因だったんだって」

「……っ…」

「俺の分も食べてたからさ、その子2ヶ月くらいで死んじゃったんだよ。初めてできた友達だったのに、それを俺が殺しちゃったんだ」

「…クリスが殺したわけじゃ」

「ううん、俺が殺したんだよ。だってね、キャンディが原因だってわかっても俺はその子に渡し続けたし、思い返してみると最初からそのキャンディを食べちゃいけないような予感がした…気がするんだ!俺昔から変に勘が鋭いところあるから、そのキャンディもきっとそうだったんだよ。…ね?俺人殺しでしょ?」

それはきみのせいじゃない、そう言ってあげたいのに…あまりにも綺麗に微笑む彼に、僕は言葉を言い淀む。

「きみがそんな顔をすることないだろ〜!…アッシュは優しくて、それでいてやっぱり変わってるね!」

「変わってるのは…きみも一緒だよ」

「え?俺変わってる?」

「だってディノのこと愛してるって…っあ」

このことは触れないでいようと思ったのに、つい口から滑ってしまった。慌てて口を塞ぐけど、もう遅い。

「…あぁ、愛してるよ。だってパパは俺のことを愛してくれるから。客は、高い金払って抱いてるんだからって俺のことなんか何も考えてくれない。…でも、パパ・ディノは俺の目を見ながら、ちゃんと愛してくれる」

クリスは、先程までとは違う穏やかな表情になった。

「俺、大部屋の中のひとりだったって言ったでしょ?その友達が死んだ時、普段ならありえないのにたまたま彼が大部屋を覗きにきたんだ。それで、俺と目が合って「おいで」って…。客に指名された時以外シャワーなんてほとんど浴びせてもらえなくて、汚かったはずの俺のことをお前は綺麗だって頬を撫でてくれたんだ。 愛されるのが幸せだって知ってからは、もっとパパに愛される可愛い僕でいたいって思ったよ」

僕の口からはただの相槌すら出てこない、でもクリスはそれを気にする様子もなく話を続けた。
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