ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
目が覚めると、アスランの腕の中だった。
昨日ここにパパが来て、その後ベッドに移動して…いつの間に眠ってしまったんだろう?
「……ユウコ?」
『アスラン、おはよう』
「…ん、おはよ。あれ、ユウコが先に起きるなんて珍しいね」
『うん、なんかいっぱい寝た気がする!』
「ふふ、ユウコ話の途中で寝ちゃったんだよ」
『えっ、そうだったの?ごめんね』
「ううん、僕もすぐに寝たし全然大丈夫だよ」
足音が聞こえて目をやると、見張りの男たちが檻の前にいた。
「起きたのか?タイミング良かったな。もうすぐパパがここに来るってよ」
私たちは起き上がりベッドに腰掛けた。
しばらくするとシャッターが開いた。
『…パパ!おはよう!』
「ああ、おはよう。元気が良いな。よく眠れたかね?」
『うん!』
「そうか。…アッシュ、おはよう。」
「……おはよう」
「今日はお前に会わせたい子がいる、朝食の後に一緒に来てもらうよ」
「…え?」
「お、朝食のようだ。ではまたあとで」
コツコツと音を立てパパが出ていった。
檻に食事が入れられ、私たちは静かに食べはじめる。
アスラン、また行っちゃうんだ…
いやだな…
「…食い終わったか?」
「ユウコ、全部自分で食べれて偉いな」
ニヤニヤと笑いながら食器を下げられる。
1人が食器を持ってシャッターを出るのと入れ替わりでパパが再び戻ってきた。
「さて、アッシュ。挨拶が済んだら出発しよう。」
ガチャガチャと鍵が開く。
「…ユウコ、行ってくるね」
私を抱き締めたアスランは耳元でそう言った。
許されないと分かってるのに、アスランの背中に回した腕を緩められない。
「…もうあいつらきみに何もしないって言ってた」
『そう、なの?…でもそれより…』
「…ん?」
『…っ、寂しい』
「ユウコ…」
アスランは私の耳にちゅっとキスをした。
「…僕も同じだよ、」
「アッシュ、出なさい」
「……ユウコ、いってきます」
『…ゃ、』
「おやユウコ、挨拶はどうした?」
『…っ、…いってらっしゃい』
「いい子にお留守番出来るね?」
『…はい、』
アスランとパパは倉庫を出て行ってしまった。必ず帰ってくると分かっていても寂しくて辛かった。