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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


《アスランside》


「…ハッ…こりゃすげえ、イイじゃねえか」

「………ふふ、うれしいな」

「舌遣いが最高にセクシーで狂っちまいそうだぜ…」

「…ね?上手な僕とする方がきもちいいでしょ?」


これでいい、
こいつらのいやらしく不快な目が全部僕に向けば…



「……ッふ、アッシュ……かわいそうに。いつどこでそんな術を覚えちまったんだ?自分を身代わりにしてユウコを守って、いつからそうやって生きてきたんだ?」

「っ……身代わり?なんのこと?」

「ここに来た時のおまえを見てなかったら、男になんざ微塵も興味ない俺もコロッとハマっちまってたかもしれねえ…その見た目、演技力と度胸でムービースターも夢じゃないだろう。だが、芝居はもういいぜ?」

「…………」

「なんせ見ちまってるからな。パパや俺らに向ける鋭い敵意のある目を。それと、あいつに向ける甘い甘い目も…。」

振り返りユウコを見ると、座ったまま頭を抱えるように小さくなっていた。

僕は声を普段のトーンに戻した。


「…嫌なんだよ、ユウコが傷つくのは。」

「ハハハ、男だなァ」
「今の演技、パパのクラブで役に立つぜ」
「クラブ・コッドにはおまえくらいの年齢のガキがたくさんいるが、ここまでの質はなかなかいねえ。すぐに人気者になっちまうだろうな!」


「お願い、ユウコにひどいことをしないで」



「…わかったよアッシュ。今後俺たちからは、何もしない。」


男たちはそう言って少し離れたところにある椅子に座った。

え…分かってくれたの?
こんなにあっさりと?

呆気に取られてしまったけど、とりあえず良かった。ふとユウコを振り返るとまだ顔を埋めてさっきの体勢だった。

なんと話しかけたらいいのかわからず、声を掛けないままユウコの目の前まで行きしゃがんだ。

こんなに震えて、また泣いてるの?
きみはいつからこんなに泣き虫になっちゃったのさ…、でも泣きながら笑っているあの姿よりはよっぽど良い。


僕は笑っているユウコが好きだけど、
涙を流しているきみも好きだよ



僕が“綺麗”だったら、
きみを抱きしめて一生離さないのに…

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