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ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH

第14章 消えない傷


『……っ……』

いつものように舌を絡めようとしても、アスランは応えてくれない。唇を甘噛みしても返してくれることはない。

少し唇を離してアスランの目を見ると、感情の見えない目をしていた。

もう一度唇に触れようとした時


「…まだするの?」

『…っ、え?』

「僕はもういいや…腕を離して」

『アスラン…な…んで』

「なんでって…さっきキスを嫌がったのはきみの方だよ…」

首に回る腕を掴みスッと下ろされる。クルッと背を向けてベッドに向かうアスラン。

それに私も背を向けるように床に座った。


鮮やかなグリーンの大好きな瞳を冷たいと思ったのは初めてだった。目だけで私を見下ろしたアスランはいつもより背が高く感じた。

いつもは私の目を覗き込むように目線を合わせてくれていたから…


昨日の夜、マービンにメジャーを使って簡易的に身長を測られた。私が141cmで、アスランは153cmだった。気付けば私たちは12cmも身長差がついていた。

こっちでずっと暮らしてきたとはいえ、私は純日本人。両親の身長がいくつだったかはわからないがアスランとの差はこれからどんどん広がっていくばかりだろう。


もしかしたら開くのは身長差だけではないのかもしれない。現に先程アスランはキスを、まだするの?僕はもういいと言っていた。

アスランとの距離が…遠い。
心も、体温も遠いよ…
あんなにいつも近くにいてくれたのに



私がキスを避けずにあの時ちゃんと説明していれば…、アスランにあんなことを言わせずに済んだのかもしれない。


アスランが汚いなんて…そんなこと、
私は一度も思ったことないよ。


ゆっくり振り返り彼を見てみると、さっきのように私に背を向けてベッド寝転んでいた。

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