ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
その時、ガラガラとシャッターがあいて見張りの男たちが入ってきた。
「…なんだァ?てっきりまた抱き合ってると思ったが…」
「いやぁ、それにしてもお咎めなしで助かった…どこにあんだよ?」
男たちは檻の周りをキョロキョロとしながら一周した。
「あぁ…なるほどな、全然気づかなかったぜ。あるってわかってもよく見ないと探せねえレベルだ。」
「音拾ってねえってのは確からしい、媚薬のことはなにも言われなかったからな。ソレがバレてたら殺られてたぜ」
「てかよ…続けろっつーのはどういうことなんだ?」
「ぶち込まずに犯せって、な…。」
「ショーで最高のパフォーマンスが出来るように今から少しずつ躾けておけってことだろ?主役が輝くように。」
「それにしてもお前よく咄嗟に出たな、誘ったのはあいつですなんてよ!」
「ハハ!あながち間違いでもねえだろ?甘い蜜垂らして誘ったのは………なんだからよ」
男たちが私を見てゲラゲラと笑った。
やめて…
こっちを見ないで
「なァ、子猫ちゃん!」
「これからも美味しいミルクをいっぱい“ごっくん”出来るってさ。」
「こっちこいよ、キスしようぜ?」
『………』
「さっきはあんなに仲良くしたじゃねえか」
『………ゃ』
「そいつより俺の方が上手かったろ?…下手くそなガキのキスより気持ち良くてトロトロになっちまってたもんな?」
「ユウコ、早くしろよ」
「ああ〜、参ったな…言うことを聞けない悪い子はパパに報告しなくちゃいけねえ」
嫌だ…でも、パパが…
私はカタカタと震える足に力を入れて、立ち上がろうとした。
その時、
後ろからギッとベッドの軋む音がして、私の肩にふわっと手が乗ると地面に押し戻された。
私の横を通ったアスランは檻に近付いて、柵を握る。
「ねえ、下手くそなガキって僕?」
「あ?あぁそうだぜ。」
「俺らはお前じゃなくてユウコを呼んだんだよ。」
「キスが下手くそなのはユウコで、僕じゃないんだけどなあ」
「どういう意味だ?」
「僕…パパに、お前はキスが上手だって褒められたよ」
「……へえ?」
「だからさ、…僕とキスしない?」