ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
《アスランside》
恐怖で声を出せずにいると、
「強情なヤツめ…この美しさでなければとっくに車から投げ捨てているところだよ。」
と言って顎をグイッと掴まれ勢いよくシートに投げつけられた。
「…うっ!」
「…では話のアプローチを変えよう。
車の中でユウコは従順になりたいと言っていたね。何故あの子が早々にそんなことを私に話し始めたのかはわからないが、自分の感情を押し殺してまで私に大人しく従おうとする姿は健気で心を打たれたよ。とても可愛がってあげたくなる…だが、キミがそんな態度を取って私の機嫌を損ねるようなことがあれば、私はあの子に何をするかわからないよ?」
「…っ!…」
「フッ、ようやく話ができそうだ。…ではもう一度聞こう、アッシュはあの子が大事かい?」
「………だい…じ」
「あの子が怖い思いをするのは嫌だね?」
「っ!…いやだ!」
「それなら、おまえはもう私から逃げられない…さぁ、パパ・ディノと呼んでごらん…おまえの主人の名だよ、アッシュ。」
「…っ……パパ、ディノ」
「私の元から逃げないと誓うか?」
「………Yes」
「…ッフハハハ!それほどまでにユウコを愛しているのか…?!こんなに幼い子供が愛などのために自らの身を堕とすとは、実に儚くて美しいストーリーだ…!
先ほどからの怯えようを見ると、おまえはこれから自分の身に何が起こるのかわかっているようだな?…それもそうか、この見目麗しさだ…誰もがおまえを手篭めにしたいと思うだろう。だがアッシュ、おまえが今後相手にするのはそんな野蛮な輩ではない。…社会的地位のある客の下で心とカラダを慰めるんだ。おまえは私のクラブの商品になるのだよ。」
「…僕が、商品?」
「ああ、…プラチナブロンドのこの髪、ライトグリーンの瞳。おまえは最高級の商品だ。ユウコがいれば、麻薬で縛る必要もないね…大変都合が良い。
さてそろそろ私のクラブに着くよ。今日はここで私の相手をしてもらおう。」
車が停まった先はレストランの前だった。肩に手を回し車を降ろされると、そのまま店内の左側にあるスタッフ専用の扉を開けて中に入った。
廊下を進むと目の前に仰々しい扉が現れた。ディノが扉の脇にある機械にコードを打ち込むとカチッと鍵の開く音がする。その中にはとても豪華な部屋が広がっていた。