ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
《アスランside》
キスの途中からユウコの吐息にやたらドキドキして、いつもよりたくさん舌を絡めてくれたことが嬉しくて、ただただキスに夢中になった。
…荒い息をするユウコの唇から離れると、
『ねえ…もっ、として…?』
目に涙をため、赤い顔をして…
口の端からどっちのかわからない唾液を垂らしたユウコを見た途端お腹…というか、もう少し下のあたりにはじめての感覚が走った。
な、なんだろう…
今の感じ…
くすぐったいような、
チクッとするような…
突然の違和感にビックリした。
でもその違和感はすぐに消えて、今は僕の上に全体重を預けるユウコがただ愛おしくて仕方なかった。
ガラガラガラ……
ユウコ越しに見える、檻から10mくらい離れたシャッターが大きな音を立てて開いた。そこから先程出ていった僕たちの見張り役と思われる手下の男3人が帰ってきた。
「エサ持ってきてやったぞ〜……って、」
「おい…ハハッ!まじかよ」
「俺たちがいない間にナニしてたんだァ?」
檻に近付いてきた男たちは、じろじろと見ながら何かをコソコソと話していた。
「ユウコ…、」
『やっ…』
離れた方がいいと思ってユウコを引き離そうとすると、さらにギュッと腕に力を入れてしまった。
「…へえ?離れたくないってか?…ったくストリートキッズってのはこういうモンなのかねえ?」
「普通ならまだママの手握って歩いてる年齢だろ。」
「それがもう男の上に跨ってるんだから、参っちまうな。」
両手に食事を持っていた男は、檻の扉ではなく下の方にある小さな枠を開けた。そこから滑らせるように食事を入れられる。
「ほれ、子猫ちゃん、エサだぞ。」
「…なんださっきとはエラい違いだな。」
「おい、食わねえとパパに言いつけるぞ?」
それを聞いたユウコが腕の中でビクッと震えた。すると僕の上からするりと降りて男たちの前まで歩いて行った。
「お?」
「ハハハ!こいつ賢いじゃねえか!パパがご主人様だってちゃんと分かってんだぜ!」
「…お前のはこっちな。」
食事の前にペタンと座ると、僕を振り返った。
「………」
僕もユウコの近くに座った。