第2章 桜の前
渋々。
無理矢理言われたから仕方がなく。
そんなニュアンスを持たせて不服な顔をしながら、そっちに向かって行ってやった。
『…来たけど。何、これでいいの』
「よし、飯食うぞ飯。お前歓迎会始まってからまともに飯食ってねぇんだから」
突然の提案に、困惑する。
何…わざわざ来させといてご飯とか。
『い、いや、意味わかんないから。あんたさっきからずっと色んな人と食べてたんだからわざわざ食べなくていいでしょ』
「他の奴らとずっと一緒で、お前と食えてなかったからな…仕切り直しだ。一緒に食べてくれねぇか?」
『……ど、どうしても…?そんなに、その…食べたいわけ?』
「じゃなきゃなんで俺がこうまでして頼むんだって」
『…し、かた…ないわね。……いい、よ??』
尾が振れる。
そう、そんなに私といたいってんならそうればいいわ。
そんなに私がいいなら。
「お前何食べたい?取っていくから言っていけ」
『さ、刺身とお肉』
「了解。少しずつ野菜も入れとくからちゃんと食えよ?食わなきゃ体調崩すぞ」
『…た、食べたら何かある??』
「え?…何か、って」
質問を、間違えた。
ああ、気が緩んだせいかやってしまった。
そんなこと、聞くものじゃなかったんだ。
『あ…いや、なんでも。特に意味無いし』
「……ああ、そういやリアちゃん野菜食べてるのほとんど見ないような…もしかしてお前野菜苦手なのか?」
収束させようとしていた雰囲気をぶち壊してくるのがこの馬鹿だったか。
連勝め、覚えてなさいよ…
『苦手とかじゃなくて選ばないだけよ』
「…じゃあ、一人前分サラダ食べられたら夜一緒に寝てやろうか??」
願ってもみないような、報酬。
我が上司様は、私に睡眠を与えてくれてしまうのか。
連勝にだって、お願いできないこの私に。
一緒に…寝て、朝になっても隣にいてくれるというのか。
「じゃないと寝付けないんだろ?俺がお前の部屋にいてもいいってんならって話だが…」
『嘘…つかない、?』
「つかねえよ、バレんのわかっててつく方がめんどくせぇ」
取り皿を取ってきて、中也に両手でそれを渡す。
『…お野菜いっぱい入れていいよ。食べれるもん……あ、でも辛い玉ねぎとかは少なめにしてね??芯の部分とかもあんまりその…』
「……偉いじゃん。待ってろ、すぐ盛ってやるから」