第2章 桜の前
双熾と凜々蝶ちゃんの歓迎会だったはずが一人主役が増えたために、やいのやいのと主役に群がる面々。
中には普段通りの面子で固まっているように見える人もいるのだが。
「異能力者ねぇ…確かに、先祖返りより妖に狙われにくいし、尚且つ強いなんて心強い味方じゃない。リアちゃんがいれば腹の中で裏切るつもりでもいつでも分かるってわけだし」
「リアたんには嘘とか通じないもんね…んで、中也たん??あの子、なんであそこであんなに拗ねてるか分かる??」
『は??拗ねてないし』
「「口悪くなってますけど」」
「反抗期なリアちゃんもたまんない…ッ!!!」
耳と尻尾を生やしたまま一人でいれば傍に連勝がやって来ていた。
だから離れようしていたのに、奴は私をお菓子で釣ったのだ。
仕方がないから食いついてあげれば、食べてるうちはよしよしと何故か撫で回され、嫌ではないけれどまあまあ仕方なしに撫でられているような…複雑な気持ちで受け入れていた。
するとそこに残夏君が拗ねているだとか中也に吹き込み始めるものだから、それは反論しなければと判断したわけだ。
『失礼ね二人共。私は元々こんなもんでしょ』
「いやぁ…そうか?……デレたらめちゃくちゃ可愛らしいのにお前」
『言ってろろくでなし』
「やだこの子ほんとあたり強いわァ」
そんなことを言う割に余裕じゃない。
棒読みだし。
「なに、あいつ拗ねてんのか?普段からああじゃねえのかよ」
『だから拗ねてないっつってんでしょ!!』
「い、っってぇ!!!?」
衝動的に傍にあったパーティーグッズを投げつける。
頭に直撃だ、ざまぁ見なさい。
「なになに、どしたの。そんな怒らないのリアちゃん、ほんとに反抗期きちゃった??」
『母親ぶったこと言わないで…、私の家族はカゲ様だけよ』
「…シークレットサービスは犬だったりもするんでしょ?それなら今日から中也さんも家族でいいんじゃない??…ペットとか」
「待てや手前何言い始めてんだおい」
ペット…ペットねぇ。
随分と私に興味のないペットなことで。
ああ、こればかりは双熾と比較してしまうからなのかしら。
『……部屋行くわやっぱり。今日外出ばっかで疲れたし』
「あ?部屋行くのかよ?んじゃ俺も行くわ」
『主役さんは楽しくやってろください、今私に関わんないで殴りたくなるから』