第4章 培われしは藍晶石の光輝
抵抗する様子もなく項垂れる彼が、口から血を流しているのにゾッとした。
『な、にして…っ、だざ…』
「何言ってんの、本当…この子に、どんな神経でそんなこと言えんの」
「……嬲られるより、いいだろ」
「それは君にとってはの話だろ」
何も、反論されなくなる。
『い、いい…太宰さん、いいの。中也さんが、自分のためにしたんならそれは仕方な「リアちゃん。こいつは君を殺したんだよ?…白縹リアという一人の女の子を、殺したんだ」……だ、だから…私は、慣れてるからそんな…』
「慣れているはずないだろう。君は…心を許して全てをさらけ出した男に、裏切られたようなものだ」
『……そ、うなの?…り、リア、は……ほら、馬鹿、だから…分かんなくて。…ほ、ほら……嘘、言われてないから』
「…そんなに、こいつが大事?……それくらいに、自分のことは大事にできない?」
できない。
だって、私を大事にしてくれるのは中也さんだから。
だから、私も中也さんを大事にするの。
…あれ、私…私の事、大事にして欲しいから大事にしてる?
なんでだろ、こんなんじゃなかったはずなのに。
『………大事に、するもの…なにも、ないから』
「…中也、これからどうするつもり?この子のこと」
「……はなから一生かけて面倒見るつもりだった。…選択は、任せる」
私が、決めろと。
私が選べと、彼は言った。
それは、方向性を自分で選ぶという私にとって最も恐るべき行為だった。
また間違ったらどうしよう。
また、また私は…
『………決め、て』
「ここまでされといて何言ってやがる」
『お願、…い…しま、す……決め、て…ッ……教えて、っ…?』
どうしたいの。
貴方は、私に何を求めてるの。
私は何を求めてもいいの。
私の事、ずっとそう思ってた…?
「……非礼を詫びさせてくれるなら…変わらずいたいと、思ってる」
『どうして…?…本音、なら仕方がな「本音なわけあるか…、馬鹿野郎が…ッ」…、?……ちが、…う、の…?』
「こういう仕事をしてる奴なんだよ俺は!…、分かっただろ、俺は出来た人間じゃない」
『……私の、こと…嫌い…?』
「…………好きだよ」
『…いらなくない、?』
「いねえと…息も、できねえ」
彼に向けて、何とか腕を動かして…両手を広げて強請る。
それに泣きそうな顔をして、彼は応えてくれた。
