第4章 培われしは藍晶石の光輝
君にはそれくらいの権利はある。
中也だって分かっているよ。
太宰さんの言葉に、素直に従って間違いはない。
知っていることだ。
しかし、そんな…そんなことを彼にできるわけが無い。
___また、怖くなったら?
___違う、彼に乱暴なことは…
あれ、私どうしたんだろ。
『太宰さん、いなくなっちゃう』
「あと少しで着くからさ」
『で、も…そ、なことしたら……』
私、何されるかわからないって、考えてる。
この人だけは何があってもって思っていたのが、崩れてる。
しかし私がその考えの沼に引きずり降ろされるところで、彼はこんな敵の地帯にやって来た。
「ッ、は…、お待たせ。…携帯、貸して」
『へ…、ぇ…でも…』
「なに?私がいるのに、そんなおもちゃの方がいいのかい?…妬けるなぁ」
『あ…、…はい』
「はい、いい子♡…君はもっと反省しなよ、ね!」
「ッ、て……たりめぇだ」
結局太宰さんが投げつけてしまった。
そして彼は私の顔や腕を順番に見ていく。
「ふむふむ、怪我とかは無さそ……、…噛まれた?」
『…中也、さんは……噛ま、ない』
「……噛まれただろ、本当の事言っても怒らねえから気にすんな。…噛まれもしたし、辱められたし陵辱されたし…プライド全部砕かれた。そうだろ」
『………リア、が悪いから、仕方ないの…り…、あ、…あま、ねが…おかしい、から…だ、から…その…っ………、不潔、なのにお付き合い、して…だか、ら…ッ』
「君、リアちゃんに何言った?…さては、海音ちゃんの名前まで持ち出したかい」
私が…いや、正確には海音が太宰さんを求める理由はそこしかない。
海音には、助けを求める対象が太宰さんにしかなかったから。
求める場所を持っていなかったのだ。
ただ、それだけのこと。
「…手前の名前出して助け求められて、中断した。多分手前と話させたら……全部吐いちまったじゃねえかよ、ほんとに」
「……リアちゃん、中也の事怖い?怖くていいんだよ…怖いなら、怖いって言っていい。そしたらこいつも、流石にリアちゃん相手ならごめんなさいって反省する」
『太宰さん、は…どう、思うの。リアの事』
「どうって…」
『わたし、その…いん、らん…だから…だ、から、いらな____』
鈍い音が響いた。
ありえない光景がそこにはあった。
中也さんが、殴られたのだ。
