第4章 培われしは藍晶石の光輝
中也の…彼の面子だって、ある。
私が言うことを聞けばいいだけのこと。
しかし、この人はQを使って、探偵社内で騒動を起こすつもりなのだ。
その被害を受ける人間は、恐らく…
『中島さんと谷崎さんの妹さん…巻き込まれてしまうのですが。そのタイミングだと』
「うん。その予定だからね」
『仮にそれで騒動が止むとして、その後Qをどうするつもりですか?…一般人に被害が及ぶ可能性だってあるんですよ』
「その時は君がいち早く気付けるだろう?私が君から借りたい力はそこにもある…君なら止められるじゃないか。何か問題でも?」
『Qの意思は?』
「あれはポートマフィアのだよ」
不服だ。
本心ではQの心情を考えている側面も見受けられはする。
しかし、どうしても私は…ああいう子供がいかに孤独かを知っているから。
『…では、もしもQが敵の手に渡ったら?…寝返るかもしれませんよ』
「うちのルールを適用すればいいだけさ。あの子もそこまで愚かなことはしないだろうし」
それはつまり、始末せよということだ。
頭に血が登りかけたところで、首領が今度は中也に向き直る。
「最終判断は中原君に任せよう。君の言うことならば、リアちゃんもまだ聞きやすいだろう?」
「…リア、割り切れ。なんの考えもなく首領はここまでのことは仰らない」
『嫌』
「頼むから」
『絶対に嫌』
悟りの能力で、その先の未来まで見通せる。
何が見えるか、貴方に理解出来るわけ?
「なんでそんなに頑ななんだよ…仕事だぞ」
『…自分の大事な人が死ぬかもしれない未来を、選べですって?』
「!!!…何、を…?」
私がその先に視る未来では、貴方が血を流して倒れているの。
生きてるのかどうかまでは分からないけれど…貴方が無茶してる未来が視える。
“汚濁”を使う未来が、視える。
『絶対、嫌…』
「……どの道君の独断では取り消しはできない。ただ、私は組織を束ねるものとして部下のことは信用したいのでね?…邪魔、しないでいてくれるかな」
『…何かあった時の尻拭いを、誰にさせるつもりなんですか』
「そりゃあ、一番信頼出来るところに任せることになるだろうねぇ」
だから、嫌なんだってば。
嫌、なんだって…
「これは決定事項だよ。そんなにも不服なら、少し大人しくしておいて貰わなくちゃならなくなるんだけど」
