第4章 培われしは藍晶石の光輝
報告書の確認を終えられれば、次の作戦へと移行する。
というのも、探偵社と組合を相手にどう出るか。
『…まあ、共倒れになっていただくのが妥当かと。けど私、谷崎さんって人気に入っちゃったんで作戦立案放棄していいですか?』
「おや、そんなにかい」
『だって私が思い描くシナリオだと、あの人の大切な妹さん巻き込んじゃいますから…逆に共倒れを狙ったように見せかけて組合飲みを撃破する方向にもっていって下さるのなら、案は出します』
「ふむ。中原君、リアちゃん説得できない?」
「……やむを得ない方法でも使わない限りは難しいかと」
一瞬身構えはしたが、さしもの首領もそこまではしない人らしい。
探偵社と完全なる敵対関係を見越していれば、そうもいかないのだろうけれど…この人も流石に分かっているのだろう。
三つ巴の戦いで勝ちを得るには、二対一になってしまうのが最も合理的最適解なのだと。
そして組合と手を取り合う未来は見えない。
なぜならば、あちらの要求を飲むことは叶わないから。
しかし探偵社とならば、そもそも組合から言い渡された人虎の確保という依頼さえなければここまで敵対するような組織でもないはずで。
「やむを得ない方法ねぇ?…使える?」
「賛同しかねます。それを強制されるのであれば、貴方への信用を失うことになる」
『…自分の事くらい守りなさいよ。…馬鹿なんですか』
「手前こそ何人様のために体張ってんだよ、馬鹿なんすか」
「……じゃ、リアちゃん?それなりに納得のいく別の作戦があるなら、教えてくれる?」
首領の声で、私が提唱する作戦はただ一つ。
探偵社の拠点襲撃…と見せかけてのあちらとの交渉。
取り引きだ。
いや、時間稼ぎとでも言った方が早いだろうか。
探偵社の動きならば、全て私の能力で暴くことが出来ている。
だから、まずは餌を用意する…それで組合を釣るのだ。
時間と場所を指定したら、現れた組合は餌を捕らえようとするだろう。
だから、そこに間に合うように探偵社をぶつけてしまう。
「……あくまでも間に合わせるんだね?」
『下手に敵は作らないべきかと。探偵社にはその余地があります』
「君の太宰君贔屓も相変わらずだね……“Q”を解放するのが条件だ。今回はあの子にも働いてもらう」
『首領、それはあまりにもリスクが高「文句があるなら、中原君に動いてもらう」…』
