第4章 培われしは藍晶石の光輝
『まあ、お話はこの辺りにしておいて…谷崎さん、約束ちゃーんと守ってね?折角尻拭いしてあげたんだから』
「いや、まさか本当に一人で片付けちゃうなんて思わなくて…っていうか、もしかして君結構いい人?マフィアっていうからかなり警戒しちゃってた節はあるんだけど」
『私はマフィアの中でもヤバい方の思考の持ち主だと思うけどなぁ…いい人ならもっと他にいっぱいいるし。まあひとつだけ忠告しておくなら、身長百六十センチ、体重六十キロのいかにも小柄な小人くんには手出ししないことね』
あそこで伸びてるいかにもな変態とかならまだ許すけど、とカゲ様の方を指させば、未だに頬を撫でていた。
自業自得だあんなの。
「…あのいかにも怪しい感じの人も、マフィアの人?」
『ううん。あれはただの…恩人』
「!…そう」
いい子にしか、見えないなぁ。
こそばゆい感情が伝わってくる。
害もないような人達には、何もする必要ないじゃない?
私の敵になるまでは、皆に等しく“いい子”よ、私は。
『じゃ、私そろそろデートの時間なのよね。あの変態連れてく訳にも行かないから、あの人自宅まで送って行ってもらってもいい?目離したらすぐ危なっかしいことに首突っ込んでっちゃうから』
言ってたお願い、聞いてくれるんでしょ?と問えば、目を点にされる始末。
あれ、何かおかしなこと言ったかしら。
「…そんなの、借りを返すような事じゃないよ。貸一つ作ったレベルのお願いごとは、ちゃんとそれなりの事に使って?」
『……変な事言う人ね、私がそれでいいって言ってるのに?…分かった、じゃあ…何か考えときます?』
「うん、ありがとう。…またプライベートで何か困ったりしたら頼ってよ、それくらいなら力になれるし」
『ふふ、プライベートなら大丈夫よ。未来の旦那さんが無駄に世話焼きだもの』
会いたいなぁ、なんて目を細めて笑っていれば、そういえばデートの時間だっけ、と慌てられる。
うん、いい人じゃない、探偵社の人たち。
使いようによってはいい味方にだってなりうるわね。
『そうよ〜…じゃ、またご縁があれば!』
無邪気そうに手を大きく振って、首領の向かったであろう方向へと走っていく。
すぐに首領と合流すれば、首領から早速問われたのは探偵社のこと。
「どうだった?…君なら、どう使う?」
『…態々敵に回すような人達では、ないかなと』
