第4章 培われしは藍晶石の光輝
交差点の道路のまんなかに、人質含めて数十人が突如として現れる。
辺りは車のクラクションが鳴り響き、混乱しているが、ルーシーさんはそこから去る前に私の方へと向き直る。
それに微笑んで手を振れば、背を向けて…一瞬振り返してから、走っていってしまった。
そして探偵社の二人も、囚われていた構成員と再会出来た模様。
そんな中、ドミノマスクにマントといういかにもな格好の男に向けて、吐き捨てるように声をかけた。
『…いつまで被害者のふりしてんの、変態』
「……助かった、か」
『そのまま車に轢かれて死ねば』
「…寝起きの男に罵声を浴びせるその姿、まさにドS!!ははは、どうしたどうした、そんなに泣きそうな『なんで、巻き込まれてんのよ…っ…弱っちぃ癖に首突っ込んでこないで…!』…私に何かあっても、助けが来るだろうとは踏んでいたからな!!」
開き直るその人…カゲ様。
無事で良かったなんて、死んでも言ってやるもんか。
こっちが、貴方をそこに感じた瞬間どんな感情に襲われたか。
「お前は中也と共に早朝から姿が伺えんし?ジェラシーというやつだ!だからストーキングしようとしたら捕まった!反逆のM!!イニシャルもM!!!」
『ルーシーさんに失礼なことしないでくれるかなカゲ様??』
両頬をつねって思いっきり左右に引っ張れば、さすがに大人しくなってくれた。
そしてそこにやってくる探偵社の皆様…そして泉鏡花。
「!…あ、なたは……この前入った…?」
『…私はマフィアの構成員にそこまで興味は無いから、告げ口とかこの場で拘束とかしないし安心してよ。知ってると思うけど』
「けど、組織に入るのと同時に幹部候補の座が確約されていた。一体、何者…?」
この子は、自身を見ていた尾崎紅葉、その人の強さを知っている。
その強さこそが幹部なのだと、才能を併せ持つこの子だからこそ分かっている。
そしてそれを、ぽっと出の私が圧倒しているのを目にしたこの子は、私に恐怖に近い何かを抱き始めた。
そして、結果として今は別の組織で生きている。
『そうね……小人さんのフィアンセかしら』
「?小人さ……!!…!?」
シー、と笑いながらジェスチャーすれば、恐れ多そうな表情で私のことを更に訳が分からないというような目で見る。
私ってもしかして胡散臭がられてるのかしら。
それはやだなぁ、乙女なのに…
