第4章 培われしは藍晶石の光輝
三ルートの内の二ルート分の組合の構成員を始末して、あと一息という所で、異能力者が最後に誘導されてくる場所で俺と黒蜥蜴、梶井が待機する。
そしてその最中、発振器の反応がパタリと消失した。
まさか、本当にリアの読み通りに事が運んでしまうとは。
「…あ〜クソ、…仕事じゃなかったらすぐにでも飛んでくのによ」
「?発振器…ですか?」
「ああ。今回は危ない役だって分かっているし、タイミングも計らいやすいだろうからって」
「首領が発信機を付けてまで囮にだなんて、やはり今回はそれなりに覚悟を「ああ?何言ってんだよ広津、この発信器は個人的に勝手に俺がリアに取り付けてきたもんだぜ?」……成程?」
フリーズする周りに、逆に首を傾げる。
あれ、もしかしてこれは俺がおかしいのか?
「まあ盗聴器よりマシだろ」
「中也さんてもしかしてストーカー気質なんですか…?」
「強いて弁明するなら逆だな。俺のストーカーはあっちだよ」
ほれ、とベストの裏側とクロスタイの裏側を見せてやれば、見事に発信機、盗聴器が取り付けられている。
それも言われてみなければ分からないような。
それに加えて携帯にはGPS信号機が、更には俺の携帯からリアに送られるものは自動的にあいつの作ったデータバンクに五重保存が施されるようになっている。
「更には俺があいつが入社してから送った和菓子なんか防腐処理を施して永久保存だとよ。わざわざご丁寧なことにな」
それを暴露された瞬間、食えよと思わず突っ込みはしたが。
「後は隠し撮り写真と動画も結構…監視カメラから取ってんじゃねえかと思うくらいには持ってるっぽいし」
「……嬉しそうっすね?」
「だって可愛らしいだろ?あの減らず口をどうやって大人しくさせてやろうかって……考えただけでも悶えれるわ」
「中原殿も案外男だったんですねぇ…いや安心しました、こんな飲んだくれの喧嘩っぱやいどうしようもない人貰ってくれるような女性がいるなんて」
「双方に問題ありそうな上に多分梶井さんにだけは言われたくないかと」
問題なんかねえよ、合意の上だし。
どうせあいつの手元に残るか、全部聴かれるだけかの違いだ。
リアと付き合っていく上で、そんなことにはこだわらない。
俺はあいつに疚しいことをするつもりははなからないわけだからな。
「……けど未だに呼び捨てしてくれねんだよなぁ」
