第4章 培われしは藍晶石の光輝
首領とエリス嬢の警護にリアが当たっている間、別働隊三グループの指揮を務めながら、テナントビルを消した組合の異能力者を追い詰めていく。
出来るだけ数を減らしながら、じわじわと。
「にしても、何者なんです?数ヶ月目のあの新人ちゃんは…梶井、見ていてぞくぞくします」
「どういう意味のぞくぞくだよそりゃ、言っとくけどあいつ、強いぞ?」
「そういや中也さん、あの女の戦闘能力ってどの程度のもんなんですか?俺は…少しかないそうにはなかったですけど」
梶井基次郎、立原道造から問われるリアの能力。
ああ、そういやこいつらはまだ実戦を見たことはなかったか。
俺はまだ、先祖返りとしてのあいつの能力はほとんど知らない。
しかし、彼女の戦闘センスはこの俺でも保証できる。
「少しねぇ…?…一言で言えば天才だよ、あいつは。特に刃物の扱いは人並外れてるにも程がある」
普段携帯しているのはリーチの長い槍だが、その実、彼女の最も得意とする獲物は直刀だ。
どうして俺が刃物の達人だということを知っているのかと言うと、幹部候補だと説明される際に、他の人物との手合わせを見せられたからである。
あの光景は今でも忘れられない。
「能力も使わずにあれはチート級だぜ、正直…何せ“金色夜叉を発動させた状態の紅葉の姐さん”を追い詰めてたレベルだ」
「「!!!!」」
流石にこれは上の連中の耳にしか入らないように話してはいるが、生身の人間があれに対抗し、追い詰めるなど普通に考えて有り得ない。
恐らくは悟りの能力による攻撃の予知はあったのだろうが、それに身体がついて行くということはそれなりに使っているということ。
「考えてもみろよ、戦闘経験もないような奴が俺をおちょくって?あんだけ殴りかかっても蹴りかかっても追いかけ回しても、かすりもしねぇわけねえだろ?」
お互いじゃれ合う程度のレベルだったとしても、まず前提というようなレベルで、あいつには攻撃が当たらない。
「…梶井、手合わせしたぁい♪」
「手ぇ出してみ、手前死なす」
「おや、もしかして中也殿はあの娘を気に入ってらっしゃるのですか?」
「馬鹿言え、こちとらあいつのフィアンセだっつの」
今はまだ交際相手だがな。
言った直後に、固まる一同。
言ってなかったっけか。
「…中也さん女子校生に手ぇ出してんすか?」
「手前しばくぞ立原」
