第4章 培われしは藍晶石の光輝
これが当然だと言うように手を引くようになった彼女だが、今日はやけに機嫌がいいらしく、腕を絡めてまでくっついて離れようとしない。
「…リア?ラウンジ行くけど?」
『?はい』
「……えっと、あいつらんとこ行くけど??」
『…離れてって…?』
「いや、俺は嬉しいんだけど今日は恥ずかしがらねえんだなって」
『………嬉しい?』
「うん」
『…』
ぽ、とほんのり紅くなる頬。
そんな顔でこっち見上げんな、くそ可愛いなこの野郎。
「…まあ、この時間じゃまだ誰にも会わねえか。……腰は」
『だいじょぶです』
「身体に異変は」
『なんともありません』
「……くっついてて怖くねえの」
『怖かったら殴っても蹴っても良いらしいんで…』
大正解だ。
よく分かってるじゃねえか、と言うように撫でてやればまた嬉しそうに擦り寄ってきた。
自分よりもずっと大人の男に女として扱われて…男を押し付けられて、恐怖しなかったわけがないのに。
よく、耐えてくれた。
本当に。
『…嘘。ちょっと喉痛い』
「……そこまで鳴かせたつもりねぇんだけど」
喉いっぺん見してみ、としゃがんで近付いて見てみようとする。
しかし彼女はそれを見透かしていたかのように、目線を合わせた俺の唇に口付けた。
やりやがった、この女。
『…てへ?』
「……何お前もう仕事行きたくなくなるんだけどマジで」
『私は行くけど』
「俺も行くっつのばああああか!!!!」
乙女のお茶目、恐ろしい。
今日帰ってきたら覚えとけほんと。
盛大に撫でてやれば揺れる尻尾が機嫌の良さを表してくれる。
…いや、待て?
部分的に変化していてこの反応は初めて見るぞ、嬉しいのとか気分がいいのとかは丸わかりだがこれは…
「…!…お前、もしかして今あんまり変化してても辛くねえの?」
『…昨日終わったみたい』
「それじゃもしかしてモフり放題なのか?俺」
『………えっち』
「え゛ッ」
恥じらうように尻尾を両腕で抱いて顔を隠す少女。
まさか公然わいせつ的なアレを女子校生相手に働いたことになんのか?
そこまで成り下がったのか?俺は…
『…いいよ、合意したげる。そんなにリアのこと好きなら中也さんは特別に許してあげる』
「いや待て、普段からそういう部分なら無理しなくてもい『愛玩動物にしてね?』あああああ分かりましたよ!!」
