第4章 培われしは藍晶石の光輝
亡くなった。
それは、いなかったことにされたから。
存在そのものを、なかったことにされたから。
「あいつは…名前を変えられたと、聞いた。実家とも縁がないと」
「そだね。…理解した?」
「…やっとな。……!?あいつ、全部分かってんのに俺なんかと…!!?」
どうして、今の今まで思いつかなかったのだろう。
悟りの先祖返りで、俺の事だって信用していないうちなら読んでいたはずだ。
同じことをして、何かをしって、あいつは立原に斬りかかった。
元々の知り合いだとか以前の問題だこれは。
あいつは、俺が“何”であるのかをずっと知っていたことになる。
そしてポートマフィアで、他のどこで過ごしていても今までの生活にそういった意味での支障は全く感じられなかった。
つまるところ、俺の秘密はあいつによって守られているとも取れる。
「あー、やっぱ中也たんてそっち気にする人よねぇ、安心した」
「そっちって?」
「リアたんのいい所見てくれる人なんだな〜って☆」
人魚、不老不死だと聞くだけでも、襲ってくる輩はこの界隈には多い。
それほどまでに、甘美な響きなのだろう。
「…あいつの項と左腿、見せてもらった時にどんだけ生きづらいのかは理解したつもりだ」
「!項…?リアの項に、何か?」
「ほう、それは初耳だな?」
しかし、俺の思ってもみなかった自体に遭遇した。
あいつの左腿の傷に関しては周知の事実であったらしい。
しかし、項に隠された銃痕は、知られていなかった。
「俺もしかして情報漏洩してる流れか?」
「あー…うん、中也たん悪くないんだけどね。…リアたん僕らにはそれ隠したがってるみたいだから、聞かなかったことにしてね二人共?」
ニコニコと微笑んでいる御狐神と青鬼院。
まあ、性格はそれでもリアのことは俺よりも長く可愛がってきているのだろう。
なんでだ、どうしてだとその笑顔から幻聴が聞こえてくるほどには輝いている笑顔だが。
「……あいつには今会いに行かない方がいいか?俺はあいつに死ぬほど伝えてぇんだけど」
また、会えたと。
お前のおかげで、俺はこうして生きていると。
お前に報いることが出来るのであれば、これ以上の幸せは俺にはないのだと。
「う〜ん…うん、行っておいで?ただあの子が噛み付いてきても怒ったりしないで受け止めたげてね」
今、一番怯えちゃってるから。
