第15章 unexpected happiness【青峰大輝】
「ママ赤ちゃん連れてくる?」
「……いや、今日は連れてこれねぇ……と思う」
と思う。じゃなくて来れねぇんだけど、なんで知ってんだ?
「いつ来る?パパ迎えいく?」
「そうだな。赤ちゃんが来るならみんなで迎えに行こうな」
「うん!」
早退したけどめちゃくちゃ元気な息子と夕飯の買い物をして、アイス食いてぇって言い張るから一緒に1個を分けて食べた。
「赤ちゃんもアイスたべる?」
「赤ちゃんはアイスよりミルクが好きなんじゃねぇか」
「早くこないかなぁ。」
息子はもう既に赤ん坊が来るって決まってる口振で、買い物中もずっと、これは赤ちゃん食えるかってきいてた。
「なぁ、なんで赤ちゃん来るって思うか教えてくれるか?」
「おうちくるって言った」
「誰が?」
「赤ちゃんが」
「いつ」
「ねてるとき」
全然分かんねぇけど、多分夢かなんかで見たのかもしれねぇ。
たまたまかもしんねぇけどすげータイミング。
「他に何か言ってたか?」
「うん。ふたりでいくって」
いや、夢だからそういうこともあるよな。
夢ってのはあくまで夢だ。
なのになんでこんなテンパってんだ?
2人目は計画的で予定通りだったのに、今俺は息子の時と同じような感覚になってる。
けど、双子ならどんなに忙しくてもさすがに言ってくんだろ。
何も言われてねぇ。
だからただの息子の夢のはずだ。
つばきは帰宅しても心拍のことしか言ってなかった。
だから双子じゃねぇし、息子の夢はただの夢だった
はずだった………
「双子ですね。今まで赤ちゃんしっかり重なってて見えなかったんですけど、双子です」
「双子……ですか?」
「ですねー。」
3ヶ月の検診。
腹出てくんの今回は早えんだと思ったけど、つばきは2人目だからだって言ってた。
双子じゃねーかよ……
「不安か?」
「全然。想定外ではあるけど、大輝がいるから不安なんてない」
双子って分かっても、つばきには不安も戸惑いもなくて腹をクルクル撫でて笑ってる。
「大輝不安なの?」
「いや?想定外だけど、すげー嬉しい」
たぶん、俺らの人生に想定外はつきものってことだ。