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能力者たちの恋愛譚

第1章 それを人は恋とよぶのだ (駆こは)


「ただ」
ふいにこはるが呟く。
「船に来てすぐの頃は、自分のことで精一杯だったように思うんです。新しいことが、いっぱいで…。だけど最近は、美味しいものとか、綺麗な景色とかを見ると、駆くんにも食べてほしいとか、駆くんにもこの景色を見てもらいたいとか…考えるんです。これは私が駆くんとペアで、一緒にいる時間が長かったからでしょうか?」
……。
「七海ちゃん?」
無自覚。七海はそう思ったが、口にはしない。これでは向こうも大変だろうと、いつもこはると普通に接している「ふり」の駆を思いやる。
「七海ちゃん…?わ、私、何か変なことを言ってしまいましたか…?」
心配そうに七海を見つめるこはるがその気持ちの名前を知るのは、随分先だろうと七海は思った。
「ううん…何でもない、帰ろう」
御神輿が通り過ぎた通りを、船の方向へと戻る。
でも、いつかその時がきたら―。
自分に出来ることなら力になってあげたいと、七海は隣を歩く友人に思ったのだった。
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