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能力者たちの恋愛譚
第3章 無口な君は誰がために(暁七)
「宿吏さんに、悪いと思った」
「は?」
「私たちが食事当番のとき、いつもほとんど宿吏さんが作ってる。私も料理が上手くなれば、仕事を分担出来ると思った」
淡々とそう言うこいつを見て、こんなことを聞いた自分がアホらしく思えてきた。結局このマドレーヌ作りだって、誰かのためではなかったのだ。やっぱり一月の言うことは分からない。
「宿吏さん?」
「あ?んだよ、次はこれ切れ。…おい待てバカ、そんな角度で切ったら食うとこなくなるだろ。だからそこは…」
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