第13章 体育祭
「智ー!ただいまー!」
ニノはご機嫌で戻ってくると、智にぴょんっと飛びついた。
「お疲れさま、ニノ。速かったねー!一位おめでと!」
「ありがと♡」
しっかり受け止めた智が褒めると、ニノは嬉しそうにはにかむ。
「やればなんでも出来るんだから、いつもこれくらい真面目にやればいいのに」
「ふふ、やーだよーだ」
智もやだって言われるのを分かってて言ってるから、話しながら2人ともずっとクスクス笑ってて。
可愛いったらありゃしない。
翔もデレデレと笑み崩れながら見守ってる。
このまま2人の可愛いやり取りをずっと見ていたいが、今日の俺たちはそうもいかない。
容赦なく出場競技の呼び出しアナウンスが流れる。
「はぁ…行くか、翔」
「………ちっ」
抑えきれないため息を溢しつつ翔に声を掛けたら、翔は小さく舌打ちした。
気持ちは分かるけど、ニノに聞こえるぞ。
「翔ちゃん、いってらっしゃい♡頑張ってね♡」
「あー、カズー!行きたくないよー!」
本音ダダ漏れだな、おい。
笑顔で送り出そうとするニノに、翔が駄々をこねる。
「翔ちゃん出たくないの?」
途端にニノの顔が曇った。
「もしかして体調よくない?保健室行く?」
心配そうに翔の額や頰にペタペタ手を当てて、熱がないか確認したりしてる。
いや、熱なんかねーだろ。
ニノのそばを離れたくないだけだって。
てか、翔はデレすぎ!
「…あ!次の競技、俺が代わろうか?」
少し考えたニノが、良いことを思い付いたとばかりにそう言うと
「ダメダメダメダメ!!!元気!超元気だから!次の競技も出たくて仕方ないから!」
超絶焦った翔が即否定した。