第13章 体育祭
この競技はゴール後に借り人が指定された通りかチェックされる。
もし違っていたら探し直しだ。
ニノの紙に書かれてたのは『王子さま』
ああ、それは翔しかいないな。
誰も文句つけられないだろう。
もちろんオッケーが出て、無事に1位をゲットした2人は
「やったね、カズ!」
「ありがと、翔ちゃん!」
大きくハイタッチした。
テンションが上がった翔は、ニノをふわっと持ち上げると、そのままくるくる振り回す。
「きゃーーー♡」
ニノは嬉しそうな声を上げながら、落ちないようにしっかり翔の首にしがみついて。
いや、全校生徒の前でよくやるよ…
もう歓声なんだか悲鳴なんだか分からない色々入り混じった声が響きまくって、まぁ大盛り上がりだ。
パニック一歩手前な気もするが。
「あれ、絶対仕込みだろ?」
「だろうねぇ」
思わず呟けば、智は苦笑しながらあっさり同意する。
そんな都合良くニノが翔を指定した紙を引けるわけがない。
偶然だとしたらどんな確率だよ?!
あの2人ならそんなミラクルも起こしそうな気もしなくはないが…いや、やっぱ無理だろ。
「もし他の人があの紙を引いちゃってたら、ニノがショック受けただろうからね。仕込んでくれて良かったよ」
智は、心から良かったと思ってるのが分かるニコニコ笑顔だ。
「相変わらずニノに甘いな」
「そう?」
“親ばか”ならぬ“親友ばか”というか…智も翔に負けないくらいのニノ第一主義だからな。ブレないよな。
「ま、みんな異様に盛り上がってるし、いいんだけどさ」
そのための仕込みだろうからな。
あの2人は求められた役目はきっちり果たしたよな。
分かって応えたわけじゃなく、天然だろうけど。