第13章 体育祭
障害借り人競争は異様に盛り上がった。
まず選手入場の時から歓声がすごかった。
敵味方関係なくニノヘの声援が飛んでる。
元々なにかと注目されてる存在なのに、自分からリボンつけたまま行っちゃうもんだから、余計に目立って仕方ない。
ニノがスタートラインに立つとそれまで以上の大歓声が起こった。
当のニノは、大きな声にびっくりしたのか怯えたような素振りを見せて。
子犬みたいなその可愛さにみんな益々盛り上がる。
いや…もう怖くて翔の方見れねぇな…
見なくても殺気を感じるけどな…
スタート前はびくついてたニノは、いざ競技が始まるとすごかった。
網くぐりも、平均台も、跳び箱も危なげなくクリアして行く。
そのスピードにさっきとは違う種類の歓声が上がる。
「すごいな…ニノ実はかなり運動出来るんじゃね?」
素直に感心していたら
「そうだよ。実はすごい運動神経いいんだよ、ニノ」
ふふっと、智が得意げに笑った。
「面倒くさがりだし、やる気もないから運動きらいとか言っちゃうけどね。やれば出来る子なんだよ」
ものすごいスピードで障害物をすべてクリアしたニノは、借り人のお題が書かれた紙を手に取った。
紙を開くなり、退場口に向かって走り出す。
「翔ちゃーん!!」
名前を呼びながら、翔に向かって手を伸ばす。
「翔ちゃん!来て!」
「え?俺?」
翔は驚いた顔をしつつ、すぐニノの元へ駆け寄ると、その手をギュッと握った。
手を繋いだ2人はスピードを落とすことなく、一直線にゴールまで走りきる。
当然二位以下を大きく引き離してぶっちぎりの一位だ。
なんならまだ障害物でもたついてるやつもいる。
2人が手を繋いでゴールテープを切ると、大きな歓声と拍手が鳴り響いた。