第13章 体育祭
そのまま滝沢たちと喋ってたけど、しばらくしたら智が首を捻った。
「翔くん戻ってこないね?」
「そういや、そうだな」
送り届けるだけならこんなに時間掛からないよな。
どこ行ったんだ?
智とキョロキョロ探してみたら
「いた!」
障害借り人競争の集合場所にちゃっかり紛れてた。
ニノに貼り付くように寄り添って、がっちりガードしてる。
「翔のやつギリギリまで離れない気だな…」
ニノと2人で何か喋っては楽しそうにキャッキャしてるけど、係りのやつが困っちゃってるじゃん。
そりゃ困るよな。
関係ないやつが堂々と混じってるんだから。
でも注意しようとしても、完全に無視。
…どころか、話しかけんじゃねーぞってオーラをすげえ出してるから、びびって声も掛けられずにいる。
あーあ、可哀想に。
「あの係りの人、気の毒だね」
「だな…」
智と苦笑いしながら見守る。
結局、入場ギリギリまで翔はニノのそばを離れなかった。
ニノを送り出す時に何か耳打ちしてて、ニノは嬉しそうに笑って頷いて。
でもやっと離れたと思ったのに、翔がこちらに戻ってくる様子はない。
「どこに行くんだろ?」
「さぁ…?」
どうするのか見てたら、そのまま退場口に移動してた。
あそこで待つのか。
ニノが1人になる時間を一切作らないつもりだな。
「翔くん徹底してるねー」
智は単純に面白がってるみたいで、ふふっと笑った。
俺は、ここまで徹底されるともう感心しか出来ない。
ニノは翔の動きを目で追って、小さく手を振ったりしてて。
驚いた様子もないから、さっきの耳打ちであそこで待ってると伝えてたんだろうな。