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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第102章 ずっと




「・・・っ」

よく見れば、ありとあらゆるものを接着剤で固定されている。

ヘッドレストが抜ければ、そこから伸びる金属の棒で窓を壊せると思ったが・・・それも無理そうで。

キーも抜かれ、運転席のドアロックも壊されている。
メモ機能しか使っていなかった為気が付かなかったが、スマホの電波も無い。

ここは完全なる密室と言えた。

「・・・・・・」

寧ろこの方が良いのかもしれない。

戸惑ってここから出る方法を探してしまったが、そもそもいつでもこの世を去る決意はできている。

誰にも迷惑を掛けず、静かに去れる。
それは、それで・・・。

「・・・ッ」

なんていうのは、強がりだ。
やはり、まだ零の傍に居たい。

そんな欲は、醜くも出てきてしまう。

こんなにも往生際が悪いとは、自分でも思わなかった。

「・・・・・・」

何か。
何か出る方法は無いだろうか。

必死に辺りを見回すが、意外と煙が充満する速度は速く、視界はあっという間に白くなっていった。

「・・・!」

手だけよりはマシかと思い、服の袖を使って口を覆いかけた時、最初の違和感が体を襲った。

・・・力が入らない。
それに、指先が痺れているようで。

それでもどうにか体を動かし、後部座席へと移動すると何か使えるものを探したが、特に物がある訳でもない。

それもそうだ。
接着剤で辺りを固めているのだから。

捨てるつもりでこの車を使ったのだろう。

「・・・れ、い・・・」

・・・意識が遠のく。
視界がボヤけ始めた時、体はガクンと力を失い倒れた。

呼吸が、苦しい。
もう、口元を塞ぐ事もできない。

瞼を持ち上げる力もない。

こういう最後だとは思わなかった、と静かに瞼を閉じ、そのまま静かに意識を失った。

ーーー

川が見える。
これが所謂、三途の川というものだろうか。

想像では綺麗な花でも咲いているものを想像していたが、案外普通の川だ。

・・・これを渡れば、私は死ぬのだろうか。

でも渡る力所か、立つ力さえ無い。

私は、死ぬ事さえ、できないのだろうか。




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