• テキストサイズ

【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第102章 ずっと




「あっはは!だから私は貴女が好きなの!」

私はそうでもない。
けれど、嫌いにはなりきれない。

そう心の中で言い返しながら目付きを強くすれば、彼女も笑いを徐々に収め、その綺麗な瞳で私を見つめた。

「それが貴女の美徳かしら?だとすればとても汚れた美徳ね!」

・・・美徳?
そんな大それたものではない。

私はただ、国を守る彼らの枷になりたくないだけだ。

「卵を割らないとオムレツも作れないわ。けど、貴女が自ら割れた卵なら、そのオムレツにもなれないかもしれないのよ?」

どういう、意味なのか。

眉間に皺を寄せながら、スマホを握る手に力を込めると、さっきまでの目眩が押し寄せて来るようで。

「犠牲なくして得るものは無いけれど、無駄な犠牲もあるのよ」

無駄な犠牲、か。
確かに無駄かもしれない。

でも彼女のいう私が自ら割れた卵だとして。

『その卵が腐っていたとすれば、それは無駄ではなかったのでは?』

そう、言い返してみせた。

「本当に面白い子ね」

クスクスと笑いを漏らしながら、彼女は徐ろにタバコへ火をつけて。

結局ここから出る事はできなさそうだと、脳裏で考えた。

赤井さんとの取引は成立せず、コナンくんにも手間を掛けさせただけだったな、とスマホを膝に置き、シートへと体を預けた。

・・・熱が上がったようだ。

体がだるく、目眩が強い。
呼吸も苦しく、頭痛も酷い。

「彼、助けに来てくれるといいわね?」

そう言うと、ベルモットはどこからか小さな箱を取り出して来て。

それを横目で見ていると、彼女はそこから伸びている導火線のような物にタバコの火を近づけた。

シューッと音を立てながら煙を出す箱に驚いていると、彼女はゆっくりと車から降り、その箱を運転席へと置いて。

「じゃあね」

そう一言残すと、ドアを閉め、どこかへと姿を消した。

「・・・・・・」

煙はゆっくりと、下から上へ流れてきて。

臭いがキツい・・・毒ガスだろうか。
だとすれば、そう長くはもたない。

異臭に顔を顰めては手で口元を塞ぎ、とりあえず車内を見回した。




/ 1936ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp