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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第102章 ずっと




「これだけで、我慢するとしよう」

そして私の眼前で少し満足そうな表情をしながら頬に手を滑らせ、ゆっくりその顔を近付けてきた瞬間。

次に何をされるか察してしまった。

だから思わず彼の肩を掴んでは、そっぽを向いて。
嘘のように、体は素早く勝手に動いた。

「・・・ひなた」

何故私が顔を背けたのか。
それが分かった上での、諭すような声色で彼は私の名前を呼んだが、それに納得はできなかった。

「・・・だめ・・・っ」

そんな事をされれば、彼に風邪が移ってしまう。

小声で伝えるが、彼は構わないと言うような眼差しで見てきては、構わず再び顔を近づけ始めた。

「・・・っ」

万が一があってはいけない。
私が風邪を移しでもしたら・・・。

「!」

彼がすぐそこまで来た瞬間目を閉じると、せめてもの抵抗で唇をギュッと固く閉ざした。

・・・のに。

「・・・口にされるとでも思ったか?」

実際、彼の唇が落とされたのは頬だった。

クスッと笑う彼を目を丸くして見つめては、再び落ち着いていた熱が上がるようで。

「流石に今はしないさ」

・・・恥ずかしい。
穴があったら入りたい。

けれど入る穴は無かった為、彼の胸の中に潜り込んだ。

「おやすみ」

それ以上は何もしない、何も言わない。
彼のその優しさが、いつも以上に沁みる。

・・・やはり、私は彼でなければダメなのだと、強く悲しい程に実感した。

ーーー

「熱は下がっているようだが、今日はじっとしていろ」
「・・・ん」

次の日の朝、彼は早くから出て行く事になって。

色んな人の看病の甲斐あってか、熱はすぐに引いた。
けれど、相変わらず声の調子は悪く。

彼の言いつけに短く返事をすれば、子ども扱いするように頭を軽くぽんぽんと叩いた。

「なるべく早く戻る。何かあればすぐ連絡してくれ」

・・・スーツを着ている辺り、今日も公安としての彼になるのだろうな。

もしくは、私に気をつかってスーツを着ているだけか。

「行ってくる」

そう言って額に落とされるキスが甘過ぎて。
風邪もたまには悪くない、なんて思ってしまう始末で。



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