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【安室夢】恋愛ミルクティー【名探偵コナン】

第102章 ずっと




「ひなた」

・・・零。
零の声だ。

という事はここは、事務所か彼の部屋で。
そして額に感じている冷たい感触は、彼の手か。

「・・・・・・っ」
「・・・ひなた?」

重い瞼を上げようとピクリと動かした瞬間、もう一度名前を呼ばれた。

それが原動力になるように瞼が開くと、目の前にいる彼を視界に捉えた。

と同時に、ここは事務所だという事に気が付いて。

「大丈夫か・・・?」

・・・また、そんな顔をさせてしまった。

私は彼を笑顔にさせている事が少ないな、と脳裏で考えては、小さく頷いて応えてみせて。

「具合はある程度聞いている。気づいてやれなくて、すまなかった」

違う、悪いのは零ではなくて。
管理ができていなかった、私のせいだ。

そう言いたくても、声が出せなくて。

「何か食べられそうか?」

・・・仕事は大丈夫なのだろうか。
組織の事も、最近は話に出さないけれど。

彼が傍に居るという事に安心感はある。

今は自分の心配だけしていれば良いのかもしれないが、それ以上に彼がここに居ることが心配になってしまう。

私が風邪なんて引いたからここに居るのではないか、本来なら仕事だったのではないか、と。

「どうした?どこか痛む、か・・・」

彼の言葉は、聞こえているけど入ってこない。

こういう時は素直に甘えるのが正解、なのだろうか。

熱のせいか、何なのか。
頭の中はぐちゃぐちゃになって。

覗き込むように私を見て来た彼へ、飛び付くように抱きついた。

「・・・ひなた・・・?」

ベッドから半分体が出るような形になりながらも、彼は私をしっかりと受け止めて。

「何かあったのか?」

自分でも、何をしているのか分からない。

勝手に体が動いた。

「・・・っ」

彼の匂いを、感じる。

そういえば兄からも一度、これに近い匂いを・・・感じた事がある気がする。

「・・・・・・」

彼を抱き締める力を強めると、彼も徐ろに抱き締め返してくれて。

片手を後頭部に添えられ、軽くぽんぽんと指が動けば、さっきまでぐちゃぐちゃだった脳内は、一瞬でスッキリしたようだった。




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