第22章 葬儀と日常生活へ
「……コレは薬物かな。裏方に連れて行くね。テンゾウは他のテーブルについて?」
「はい、花奏先輩、ありがとうございます。すみません」
私はテンゾウを残し、
女性の肩を担いで、
裏方から店を出た。
裏で待機するのは暗部の新人だ。獣面を被る。店で奇襲されても、すぐさま応援に駆けつけれる為だ。
「余罪もあるかもしれないんだ。一日牢屋に入ってもらってから、調査してあげて。あ、禁断症状でるかも…。気をつけてね」
「はい」
女性を担ぐと、
2名はすぐに消えた。
店内に戻ると、満杯で大忙しだった。遠くで、カカシのお客様が帰ろうとしている。レジで会計をする。飛び出すような数字が並び、その女性は現金で払った。
なんと羽振りが
良い客様であろうか。
「カカシさん、もう、結局アフターしてくれないし……でもでも、最後のお願い♡帰りにキスしてください♡」
ドア前で毛皮のコートを羽織る女性が
踵を上げた。目を閉じる。カカシは薄く笑い、自然に頬にキスをして抱きしめた。
その姿を、
周りの客が騒めき、釘付けになった。
身を乗り出し、
甘い感嘆が店内に響いた。
「次は、アタシが欲しぃぃー♡」
「カカシさん、カカシさんーー♡」
「こっちに座ってくださいーー♡♡」
甘いため息が店内に溢れる。カカシは人気みたいで、頭が痛い。
「また、お越しください」
「…は、はい♡」
手を振るカカシ。
笑顔で女性が外に出てゆく。
後ろ姿は、完璧なホストだった。くるりと踵を返して店内にカカシは歩く。同じように見送っていた私を見た。
「……演技だからな。わかってんな?」
「…それぐらい、わかってるよ」
でも。
心は落ち着かなくて。
「花奏」
通りすぎに耳打ちされる。
「抱くのは、お前だけって決めてるから、心配すんな。ホラ、次の客待ってるぞ」
火照る私の頭を撫でて、
カカシは店に戻った。
結局…その日も売人は見つからず、
夜中3時解散となった。