第22章 葬儀と日常生活へ
「行こうよ。お姉さんのこと、好きになっちゃった」
タバコを外し、耳元で喋られて、
頬に唇が当たる。
「え、えっ、ちょっと…困ります」
ここまで強引な人、会ったことない。
私は困って、目が泳いだ。
「くく、お前可愛いねー、マジで気づいてないし。大丈夫かよ」
イタズラっ子みたいな声だった。
タバコを消して携帯吸殻入れに入れると、
サングラスをずらして私を見下ろす。
「まだ、わかんないの?」
よく見れば、
左目の下に傷が薄らと見えた。
「……えっ」
間抜けな声を出せば、
途端にチョップが
頭に落ちた。
「あのな、30分も遅刻して、急いでなきゃ怒るからな。なにしてんの、お前。遅いんだけど」
口調と声が突然変わる。
頭が真っ白になった。
「あれ、え、カカシ……?」
「今さら?お前ねーーー、顔見たら分かるでしょ。あーー、やってらんない。香水臭いし、タバコは臭いし。鼻がもげる」
ずんずん歩いて、
暗い路地裏に連れて行かれる。
不機嫌そうだ。
「なあ、遅れた罰。ここでやりなよ」
狭い路地裏で、
顔を近づけてくる。
「え、」
「キス。濃厚なヤツね。オレから、なんもしないから」
両手はポケットの中に
いれる。にぃっとチャラけて笑うのだ。