第22章 葬儀と日常生活へ
あーマズイ。30分以上の大遅刻だ。屋根をつたい、大通りに出る。
すると、
煌びやかな光が街を灯る。
夜間営業するスナックやバー、
クラブ、ホストクラブ、
キャバクラや、ピンク色の風俗店が連ねる。
電飾を多用する派手で
目立つ看板が多く並ぶ。
木ノ葉歓楽街は
いつも華やかだ。
スーツやドレスを着た派手な男女が行き交う。異国の人達も多く集まるこの場所は、タバコや酒の臭いが漂う。香水の匂いも強い。何度も仕事で来ているが、慣れなかった。
任服で場違いな私。
顔をしかめて歩いた。
確か中央通りを入って、右に……
「お嬢さん」
突然、明るい優しそうな男性の声。
「え」と、呼ばれて振り返ると、
ホストで働いてそうな男性が微笑む。
両手をポケットに突っ込んで、タバコを吸い、こちらへ歩く。コツコツと黒の革靴が地面を鳴らす。
「ああ、忍さん? "くのいち"って良いね。そそられるよ。下手したら殺されちゃいそうだよね」
「…は、はあ?」
へんてこりんな反応に、
ははは。と笑う。綺麗な涙袋に影ができる。ピアスのついた耳に銀髪をかきあげた。カッターシャツからは、銀のネックレスが光った。
「可愛いねー、ねー、今から遊びに行くの?オレとどっか行かない?」
ナンパなのに、
私はいま、
この男性から目が離せない。
色のついたサングラス。
シルバーの高級なスーツが似合う長身。
柄の付いた華やかなネクタイ。
黒光る紳士の本革靴
高級な腕時計。
圧倒されるほどのオーラ。
どこかのお店のNo. 1ホストだろうか。
「ねえ、ねえ、聞いてる?オレと、いいことしよっか?こっちおいでよ」
タバコを咥える先から煙が上る。微笑んだまま、間近に来る。時計の文字盤がシルバーのスーツから見えて、シルバーの指輪をはめた指が、普通に肩に当たる。
「え、と…ごめんなさい」
圧倒されている。
目の前にいる男性が、
あまりにも美形なのだ。
流れるような二重に、涙袋。長いまつ毛。肌はきめ細かく、髪は薄い銀髪をワックスで固める。
「ん?なんで?いいじゃん」
甘いメンズ香水を身体にまとう男性は、そのまま肩に手を添えたまま、強引に歩き出す。