第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
「はいはーぁい!俺が送っていってしんぜよう。俺もアヤちゃんとチビちゃんずに、久々に会いたいし、神菜ちゃんは本丸に行ける。つまり、Win-Winの状況!至れり尽くせりぃ」
サワラさんは術士の中でも異能の持ち主でその力は簡単に言うと『瞬間移動』だ。
色々と条件を満たしていれば件の結界も関係なしに移動出来るらしい。
渡りに船、この波に乗らない手は無し、っといった感じ。
「良いのですか?」「OKOK!お兄様に任せなさいっ。今そっちに行くから待っててね?シンデレラ〜」
ヒラヒラと手を振って何処かに向かうサワラ。
快く協力してくださるのは有り難いが、やはり少し気が引けるのだが
「ヒサシ、神菜ちゃんに防犯ブザーを持たせておきなさい。
私は一応、念の為、彼の上司に連絡しておく。」
ホログラム越しの壮年の男は、まるで嫁入り前の娘が結婚相手を連れてきた時の父親の顔の様に険しい顔をしていた。
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「お待たせー。麗しのシンデレラ〜、君の王子様がお迎えに上がりましたよー。って、竹花一家総出でお出迎えとか、俺愛されてるなぁ」
ニヘラ〜と目尻と口元を緩ませる『自称私の王子様』だが、
お出迎えに来た訳ではない。
『いやらしい目で見られたりしたら、このブザーを使いなさい。近所迷惑とか考えずに叫ぶのよ』
とヒサシさんに言われ、
『不快な気分にさせられたら、躊躇わず急所を狙いなさい。そして逃げなさい。』
と大使館本丸の審神者にも念を押され、さらに、
『敵と判断したら、迷わず斬れ。我々にとって主より大切な存在はない。というより、あいつに対して遠慮はいらない。』
と台所の片付けを終えたヒサシさんの旦那さんがウチの近侍に不吉な事を言っていた。
つまり、監視だ。が、本人に言うべき事ではないので伏せておく。
「さぁさぁ、お姫様、こちらの南瓜の馬車で王子様がお送りしますよー。いざ!舞踏会へ」
馬丁の間違いでは?
「色々と有難うございます」「いつでも連絡なさい」
ヒサシに、促されるように若君がコチラに歩み寄る。
「もし、カンナちゃんにあったら、また遊ぼうって伝えてね?またね。」
「承りました。それでは失礼します」
変わらない笑みに一抹の寂しさを覚えたのを隠すように顔を伏せた。
