第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
明るく淡い色の癖の強い髪が歩く事にゆらゆらと猫じゃらしのように揺れ、愛嬌のある人好きのする目尻の釣り上がったヘーゼル色の瞳が好奇心という光を帯びていた。
まるで愛想のいい猫を見てる様な気分だ。
着崩したYシャツと首元だけを緩めたネクタイはくたびれているが光沢のある事から高価な品であることが一目でわかる。五芒星の刻まれた水晶のラペルピンを付けている事から政府の呪術関係者だ。
居住まいを正し一礼する。
「大変お見苦しい様をお見せ致しました。政府直轄特例任務遂行本丸第235支部『笹風』の審神者を勤めさせていただいております。」
知り合いがどれだけ地位のある方であっても、神菜は、所詮、一介の審神者。路傍の石でしかない。
「特別本丸・・・、今回の作戦の政府と審神者の連絡及び補佐担当の?」
「はい、若輩者ではありますが、精進致します故、ご指導の程御願い申し上げます。」
自分の不手際や品位を欠く対応で他の方に迷惑をかけるわけには行かなかった。此処は正しく丁寧な・・・
「やっぱり神菜ちゃんじゃん!!ナマのJK!?しかも、あのババアの孫にしては、メッチャ礼儀正しいし可愛い娘ちゃん!!正にヤマトナデシコ!!!くぅーいいもん見たわー!!お久ー、オレ、俺だよ。オーレ、
カッコいい、君の王子様兼お兄様のサワラ様だよー。ね、ね、これからデートし、ぶへら!!?」
柔らかな掌で耳を抑えられたのと同時に、笑顔で、正四位様が役員の腹に一発食らわせた。
「すまないね。ウチの親戚美人見ると口説く悪癖があってねぇ。コイツの発言は脳内から抹消していいからね?」
「出来れば、サワラさん自体も抹消してほしいです。」
掌の持ち主のヒサシは呆れた様に話す。
「えー、酷くありませんか!?可愛い女の子に可愛いっていって何が悪いんですか。男は女性を須らく 、敬い讃え、口説くものでしょ!あ、チビべいいもん食ってんなー。」
「・・・・あげないよ?」
少し困った様な、嫌そうな口調で若君は言って、大きな口を開けて一切れをパクリ、と頬張る。
美味しいのか頬がトロリとニヤける。
「ちぇー。まぁ、とにかくお久しぶりー」
「お久しぶりです。サワラ様」
少し不満げな口調とは逆に目尻も口元もニヤけていて心から笑っていると言う事がわかる表情だった。
