第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
『刀剣男士』それは刀剣に宿りし付喪神が人の形を成し、顕現し、人の営みを守る為、戦場を駆け抜ける戦士達。
多い時は一日に十、二十、或いは百の戦場で戦う。人並外れた体力を持つ彼ら。
だが、
ここは竹花姫が率いる古参の本丸。通称 『 竹花本丸』の厨。
厨にいる刀剣男士3名は見るからに困憊していた。
強靭かつ屈強な精神をもつ刀剣男士はお菓子作りをしていた。
混ぜて混ぜて、混ぜて、ひたすら、一心不乱に混ぜる作業に流石の刀剣男士達も疲れたらしい。
焼きの作業は今回の料理責任者であり今回客人として尋ねてきた特別本丸の審神者の神菜に任せられた。
普段ならば客人を馬車馬の如くこき使う事は、常識的観点からここの刀剣男士達も、決して許さないが背に腹は抱えられない。というか、
混ぜる作業で普段使わない筋肉を駆使したのか腕の感覚がなかった。小豆長光や燭台切光忠達は、いつもこんな事をしていたのか、今度労ってやろう。とこの本丸のへし切長谷部や太郎太刀は誓いを深く胸に刻む。
溶けたバターと甘いパンケーキの香りが漂う厨。鼻歌交じりに軽快にフライパンを振るい、ふんわりふっくらとした美味しそうなパンケーキがお皿に一枚二枚と乗せられる。
コンフィチュールをふんだんに掛け、飾り切りの美しい果物がパンケーキを彩る。
崩すのが勿体ない位の出来栄え。光忠達が見たら対抗心を燃やす事だろう。
「とりあえず、ヒサシ様と若君様と次郎太刀様と花婿様と太郎太刀様の分だけ作りましたけど他の方の分はどうしましょう?タネはあと5人分ありますけど」
「いただきましょう。」
太郎太刀はほんの僅かに手を上げる。これ以上腕が上がらなかった。皿に盛ったパンケーキをふた皿受け取りいそいそと出ていく。
「俺は後で食べる、ここはもう良いから、二人の分だけ持っていってくれ。後片付けは俺がやっておく」
結構な時間が経っていた。流石にヒサシも心配するだろう。促すと、了承して神菜は近侍と共に厨を後にする。
その後、長谷部は今日のおやつ当番と鉢合わせ、パンケーキ作りに励んだ。
❝もう二度とパンケーキなんぞ作るものか!!!❞
おやつタイムの際長谷部のそんな叫び声が本丸に響いた。