第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
毎日櫛を通していそうな鈍色の髪、紫苑の花のような青紫色の瞳によく似合う上品かつ大人びた容姿
うっすらと優しげな笑みを浮かべたへし切長谷部が入ってきた。
そのへし切長谷部の腕に抱えられた小さな男の子は、少し茶色がかった黒髪と夜空の様な綺麗な瞳の利発そうな顔立ちを少しキョトンとした、不思議そうな眼差しでこちらを見ていた。
へし切長谷部は無駄のない 機敏かつ丁寧な身のこなしと上品な所作でお茶を入れる。推定3歳児を腕に抱えながら。
「どうぞ」
「ありがとうございます。竹花の花婿様。若竹の君様もお久しぶりです。」
「そちらも息災の様で何よりだ。笹風」
笹風とは神菜の審神者間での愛称のようなものだ。
「??」「特別本丸の審神者様よ。前にあった事があるでしょう?」
ニパッと笑う男の子の顔は自身の体を抱く男と顔の造形こそさながら分身。だがその表情にはフレンドリーな内面が、というか愛嬌が全面に溢れていた。
普段上っ面忠臣で内心腹の中が見えないへし切長谷部の顔を見慣れてる為かギャップにちょっとハートを撃ち抜かれる。というかお二人ともウチのへし切長谷部と何たる違い!
若干 カルチャーショック
「そういえば、他にも研修先に希望してる本丸とかあるの?」
「あ、はい。一応、大使館本丸と花神姫本丸と出来ればてふてふ本丸にもお声をかけようかと 」
審神者になる為の修行をさせてくれた本丸達でつい頼ってしまう。
「そう、花神姫本丸には電話かけておきなさい。ここの家電使っていいから」
「ありがとうございます。」「・・・・・」
ふと、視線を感じて神菜は、この本丸の若君の方を見る。
「お姉さん、幼稚園の神無ちゃんにそっくりだねぇ。従兄妹??」
「・・・・・さぁ、どうでしょう?私は審神者になってからもその前も家族とほとんど面識がないので」
「まぁ、同じ特別本丸同士だから、面識の機会があるかもね」
「・・・・そうですね」
ヒサシがそう言って笑うのに促されるように、此方は曖昧に微笑んだ。
「それではお電話をお借りします。」
「それならば僕はこの湯呑を厨まで届けに行ってくるよ。訪問して土産一つ持たない上手持無沙汰で心苦しくてね」
耳が痛い。
「その様な気遣いは不要なのだが・・・言葉に甘えさせてもらおう。ヒサシ頼む」
