第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
審神者とは、正しき歴史を正しく辿る為。時に人や歴史を直接的、間接的に介入、または助言し、守る者。
物に宿る思いや魂を励起し人の形を与え、共に戦うもの。
高潔で美しく崇高なる志を持つ我等、刀剣男士の主。
そんな主が、この様な小間使いの真似事をさせられるとは、とある本丸に訪問するにあたり同行者に選ばれた歌仙兼定は憤慨していた。
しかし仕方ない。「時の政府」にとっては己が組織に属す構成員に過ぎないのだ。
この小間使い紛いのこともそんなお上が命じた事、故にコチラが逆らう術がない。
数年前に時の政府の中でも上層部のとある方がお隠れになって以降、政府のシステム並びに政府直属直轄の構成員の数も減り、政府の機能が著しく低下の一途を辿っているのだそうだ。
そのしわ寄せを被り、尻拭いに駆り出されるのが、引き継ぎ本丸の審神者や新米本丸の審神者や特別本丸の審神者・・・つまり神菜の本丸と言う事だ。
しかも、世知辛い事に政府の遣いと言いながら、移動やお礼の菓子折り等の用意もこちらがして、経費が落ちない。ときた。
「もう間もなく、・・・・ 本丸に到着いたします。」
こちらから出向く審神者のいる本丸は少し複雑な事情のあるらしく、政府側が車を出してくれたのだ。
運転手の丁寧な対応に神菜も丁寧に返す様子を横目に、歌仙兼定は調度品を見る。
外行きの車ゆえ外装も勿論、車の内装も、乗り心地も優美である。雅な車をいたく気に入った。
近々主に経費で落とすように頼もう。
「到着いたしました。足元にご注意ください。」
声をかけられ、車のドアが開く。神菜がそれに従い、外に出ようとするのを静止し、歌仙兼定が先に降り、手を差し伸べる。
「それでは、行ってらっしゃいませ。」
神菜が降りた後、運転手は深々と頭を下げた後、霞とともに消えた。後には、開けた道しかない。
「帰りも来てくれるんだろうね?」「いざとなったらここのゲート使わせてもらいましょう。ほら、急ぎましょう。」
主に勧められるまま、背後に小高い山の聳える武家屋敷へと入っていった。