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幸福のレシピを貴方に。(食戟のソーマ)

第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?


 庭の方から聞こえる賑やかな声に自然と顔が綻ぶ。 
 妹も会話こそないものの少し楽しそうだ。
 コチラに目敏く気づく、神菜は人差し指を口元に寄せると、妹は小さく頷き、手を微かに振る。神菜も同じ動作をしてからその場を離れた。


 「おまたせ。」
 玄関口には既に準備を終えた同行者が待っていた。
 「別段待ってはいないが荷物はそれだけかい?」

「えぇ。」
 急いで最後の身支度をする。荷物を逸時持ってもらう。

 「目上の方の元に訪れるのに手土産一つないというのは些か失礼ではないかな?」
 同行者の手に持ってもらったのは、薄緑色の風呂敷づつみ。中身はコレから訪ねる審神者に渡す。十傑達の釣書のみ。

 コレから訪ねる審神者は審神者業において勤勉かつ優秀な戦績を修めた方で、政府からも長く信頼された方である。

 同行者の言い分も分かる。直接の上司というわけではないが目上の人だし、こういった気配りがいかに社会で重要視されるかはバイト先でも叩き込まれた。加えて言うと、今回政府からも研修先にと要請をかけられたが辞退された本丸だ。

 そんな本丸にコレから我々は無理を言って要請を承諾くださるよう頼み込むのだ。流石に手土産無しは大分マズいのではという話だ。わかる。わかるのだが、


 仕方ないのだ。だって・・・

 「お茶請けにと作った。さくらんぼのタルト。さっき消し炭になったんだから。」

 思い出して慌てて台所に戻った時には後の祭り。
 頂いたマカロンを小分けにしようかとも思ったが、如何せん人からの貰い物を渡すのは失礼だ。
 途中で何か手土産に買うか、実用性を兼ねて資材や道具を贈ろうかとも思うが、

 「下手に高価な物は賄賂とも捉えられてしまうだろうし、そもそも資材とか有り余るほどあるそうだから邪魔になるだろうし、手土産とか堅苦しいモノは基本お好きではない方だし」
 あーでもないこーでもないと唸っているとヤレヤレと言った様に肩を竦め。

 「そこまで考えているならばいいよ。そろそろ行くよ。約束の時間に遅れてしまう。」

そう言って、未だ履けずにいた草履を手に持ち神菜に履かせた。

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