
第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?

食事はそれぞれ分担しながら、皆に均等に配られ、行き渡り、粛々と行われた。
たかがカレー、平凡でソレこそ急なトラブルで食材やら台所やらがパァになり、即席で下拵えもそれなり、の出来だろうと鷹を括っていたが予想に反して、かなり美味い。
やはり、空腹は最大の調味料。
「非常時用に具材切って煮込んで入れるだけで済む用に自家製カレールウを常備してる。」
「カレーなら作れますからね」誰がとは敢えて言わない。察してほしい。
「美味いけど、この家来て週に何度かカレー食べてる気がする。酷い時は朝夕カレーが5日続いた。」遠月生としては許し難いがそれなら自分で作れと冷めた目で見る。
「昼、好きなもん食べれたならまだマシだろう。その時俺達は1日三食カレーだったぞ」
以前学校まで神菜を迎えに来た少年が言う。もはや、苦行。
「一応具材足したり、うどんにしたり、毎度スパイス多少変えたりしてくれるだけ、まだマシだよ。昔、一ヶ月間三食カレー出た時あったし」
限界への挑戦。
「あの料理に厳しい采バアがよくそれ許したな」
采とはこの本丸の前審神者で神菜や理美の祖母である。
「ソレをしたのが本人だったからだよ。元々皆が、好きな食べ物だったし、当時ナッちゃんがよく食べてくれたから、誰も止める人がいなくて気づいたら5日、2週間、半月と過ぎて、一ヶ月と経ってた。」
ナッちゃんとは神菜の昔の呼び名。因みに当時の蛮行を止めたのは、采の近侍兼初期刀と神菜のもう一振のお目付役の前田藤四郎だ。一ヶ月過ぎてまたカレーを作ろうとした当時の料理当番を羽交い締め執務室に強制連行後。
『偏食は姫のお体に悪いでしょうが!?』『主、そろそろワシャ、限界じゃ。もう人参もジャガイモも茶色い食いもんも見とうない』
全員この訴えを跳ね除ける事なくむしろ、よく言った!と二人を褒めた。
誰かが言ってくれるかと、全員待っていたらしい。
お目付役や当時の刀剣達の汗と涙と献身と苦労の甲斐があり今でこそ、食事に気遣っているが、祖母以上に味やら色んな事に無頓着で、流石主人の孫だと感心した程だ。
「まぁ、思い出を振り返る為でもあるかも、初めて一人で作ったのもカレーだったし。」
カレー地獄の何日か経った頃にカレーが出てくるとは思わなかった。しかも、『お残し許しまへん』フラグ付きに感動とは別の涙も出た。
